
9月12日に開幕した関東大学ラグビー対抗戦グループAは、優勝候補の明治大学、早稲田大学、帝京大学が、いずれも3連勝と好スタートを切りました。対抗戦、全国大学選手権の連覇がかかる明大は、ルーキーながら3戦連続先発出場中のスクラムハーフ岡元聡志選手の活躍が光っています。
岡元選手が、京都成章高校で全国高校選抜大会、全国高校ラグビー大会(花園)で準優勝した際のポジションは、スタンドオフでした。大学に入ってから本格的にスクラムハーフに転向し、明大の「9」を背負っています。身長165センチ、体重70キロ。典型的なスクラムハーフ体型です。「サイズが小さかったので、9番でプレーする可能性もありましたがチーム事情でずっと10番でした」と本人。
父・省二さんは筑波大学、三菱自動車工業京都でスクラムハーフとして活躍しました。5歳上の姉・涼葉選手はサクラセブンズ(女子7人制ラグビー日本代表)10キャップというラグビー一家で育ちました。
岡元選手について、明大の高野彰夫監督は「彼の持ち味は状況を打開できること。パスをさばくだけではなく、9番として広い視野を持っている」と高く評価しています。
先輩たちからの評価はどうでしょう。
「春からすごく成長している。自分で仕掛けられるし、僕が『こうしてほしい』と言ったことにも対応できる。一緒にプレーしやすいスクラムハーフ」(3年スタンドオフ萩井耀司選手)
「周りに合わせる力がある。どんな状況でも僕たちがストレスなくプレーできる。適応力のある選手です」(4年フランカー大川拓虎郎選手)
「堂々としている。自分はチームの中でも圧がある選手だと思いますが、積極的に話を聞き、自分の意見も言ってくる。1年生とは思えないくらい信頼しています」(4年プロップ田代大介選手)
対抗戦デビューとなった9月12日の青山学院大学戦では2トライをあげました。本人は「楽しみより緊張の方が大きかった」と振り返りましたが、それを感じさせない堂々たるプレーぶりでした。
10対0と明大リードの前半24分。自陣での相手のラインアウトでボールを奪うと、明大は岡元選手を起点に右へ左へと、ピッチをワイドに使います。敵陣22メートル内に侵入すると、最後はサポートに走っていた岡元選手がボールを受け、トライをあげました。
その4分後には、カウンターからナンバーエイト藤井達哉選手が敵陣ゴール前まで迫り、再びサポートに入っていた岡元選手へオフロードパス。今度はトライエリア中央に飛び込みました。
岡元選手は守備でもチームに貢献します。後半開始早々、青学大のスタンドオフ松井成悟選手にショートパントで自陣右奥のスペースを狙われました。青学大にトライエリア目前まで迫られましたが、岡元選手がいち早く反応し、身を挺してセービング。ピンチの芽を摘みました。
チームは12トライを奪う70対5で大勝。後半19分までプレーした岡元選手は、攻守にわたる活躍が評価され、この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出されました。
さてスタンドオフからスクラムハーフへ転向して成功した例は、近年では静岡ブルーレヴズの岡崎航大選手、ルリーロ福岡の小畑健太郎選手らがあげられます。
「前でボールを触れられるし、その回数も多い。9番は難しいけど10番とは違う楽しみがあります」と岡元選手。今はフランス代表64キャップのアントワーヌ・デュポン選手やニュージーランド代表89キャップのTJ・ペレナラ選手ら世界トップレベルのプレー映像を見て、仕掛け方やサポートコースの入り方を勉強しているとのことです。
10月11日の筑波大学戦では、日本代表のスタンドオフ伊藤龍之介選手とハーフ団を形成しました。伊藤選手は日本代表活動でリーグ戦2試合を欠場、この日はベンチスターでしたが、スタンドオフ萩井選手の負傷で0対14とリードされた前半32分にピッチに立ちました。
試合後、伊藤選手は3学年下の後輩について<きつい時に良いプレーができる選手だなと思うので、安心して任せられます>(「ラグビージャパン365」2026年10月12日配信)と述べました。
岡元選手の目下の目標は高校時代に果たせなかった全国制覇です。
「悔しい思い出が残っている。大学では日本一を獲りたい」
しっかりとした口調が決意の程を物語っていました。
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