女子15人制ラグビーの日本一が決まりました。2月3日、第10回全国女子ラグビーフットボール選手権大会決勝が東京・秩父宮ラグビー場で行われ、東京山九フェニックスがPEARLSを40対24で破り、2連覇を果たしました。ファイナルにふさわしい白熱した好ゲーム。女子ラグビーでは“大入り”となる3000人以上の観客が選手たちを後押ししました。
昨年2月5日、神奈川・小田原市城山陸上競技場で行われたフェニックス対日本体育大学の決勝戦の観客数はわずか704人。日本一を決める試合としては、やや寂しい数字でした。
しかし、秩父宮で行われたフェニックス対PEARLSの今年の決勝戦には、目視ですが3000人以上が残っていました。
残っていました、と書いたのには理由があります。決勝前の東京サントリーサンゴリアス対ブルーズ(ニュージーランド)のクロスボーダーマッチでは、1万3278人の観衆が詰めかけました。おおよその計算ですが、そのうちの1万人が帰り、3000人が残ったようです。
観戦チケットは共通で、多くの観客の目当てはサンゴリアス対ブルーズだったわけですが、それでも30分後の試合に3000人以上もの観客が残ったことに関し、フェニックスの古田真菜選手は「チームの試合であんなに多くの観客が入ることはほとんどないので、“すごいな”と思いながらスタンドを眺めていました」と感動しきりでした。
「海外(オーストラリア)でプレーした時は男子の前座で女子の試合をやっていたので、後半ぐらいに人が入ってくる。(女子ラグビーにも)興味を持ってもらえる人が増えるので、ありがたいです」
昨年の決勝、わずか704人しか観客が入らなかったのには理由があります。試合が行われた2月5日は、リーグワン6試合(ディビジョン1が3試合、ディビジョン2と3が1試合ずつ)中4試合が女子決勝と同じ関東での開催だったからです。
どうせ重なるのなら、時間をずらして1会場での“2試合制”にするという手もあります。今回はそれが成功したのではないでしょうか。
試合後、フェニックスのキャプテン鈴木実沙紀選手は、こう語りました。
「フェニックスを応援している方からも、どうしても男子の試合と重なってしまい、観に行けないという話を聞いていました。今回、サントリーさんとブルーズさんとのビッグゲーム後に(決勝が)行われたのは、私たちにとって光栄なこと。女子ラグビーを観たことがない人も残ってくれたはず。毎試合は難しいかもしれませんが、こういった試合が少しずつ増えていくことで、私たちのレベルアップやモチベーションアップにもつながると思います」
昨年春、日本ラグビーフットボール協会が発表した「女子ラグビー中長期戦略計画」によると、女子ラグビーの競技人者口は5105人(2022年度)です。12年度は2836人。少子化という逆風下ながら、増加傾向にあります。
今回の女子決勝で、選手たちはエスコートキッズを伴って入場しました。「次世代の子どもたちの夢にもつながると思います」とフェニックスの柏木那月選手は語っていました。これも明日に向けての“種まき”です。
日本協会は最短で2035年男子、37年女子W杯招致を目指しています。なぜ男女セットなのかと言うと、国際統括団体のワールドラグビー(WR)は既に27年男子&29年女子をオーストラリア、31年男子&33年女子をアメリカで開催することを決定しているからです。
WRは17年、ジェンダー平等の推進を目的に「女子ラグビー戦略計画」を策定しました。その潮流は、日本にも押し寄せています。
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