秋の終わりに季節外れのサクラが咲きました。さる11月19日、7人制ラグビー(セブンズ)パリ五輪アジア予選が大阪・ヨドコウ桜スタジアムで行われ、男女ともに日本代表が優勝、五輪出場権を獲得しました。今回は女子7人制代表(サクラセブンズ)にスポットを当てます。
女子の決勝、サクラセブンズの相手は9月の杭州アジア大会決勝で敗れた中国(21対22)でした。ここ3試合の対戦成績は2勝1敗。その2勝も12対7(2022年12月、ワールドシリーズドバイ大会)、14対12(23年8月、アジアシリーズ韓国大会)と接戦でした。敵の要注意人物は、このパリ五輪予選、決勝までの3試合で7つのトライを奪っている中国のチェン・ケイ選手でした。
先制したのは中国。2分、右サイドを抜け出したヤン・フェイフェイ選手がトライを奪います。グー・ヤオヤオ選手がコンバージョンキックを決め、中国7点のリード。
4分、サクラセブンズが追いつきます。大谷芽生選手が自陣から抜け出し、約80メートルを独走するトライ。須田倫代選手がコンバージョンキックを決めました。
6分にも再び大谷選手が抜け出し、ゴールポスト真下に飛び込みました。須田選手がコンバージョンを決め、14対7とリードして前半を終えます。
「立つ、動く、戦う」。これが鈴木貴士ヘッドコーチが就任以来、掲げてきたコンセプトです。
「常に7人が立ち、常に動き続けて一瞬の勝負に勝ち続ける」
セブンズは15人制と同じサイズのグラウンドで戦うため、すぐに立ち上がり戦線に復帰することが求められます。
このポリシーをブラッシュアップするため、選手たちは「2秒以内に立つ」「相手より1秒速く動く」と目標に定め、トレーニングを繰り返してきました。
その成果が表れたのが、後半3分のトライでした。ボールをインゴール中央に運んだのはキャプテンの平野優芽選手でしたが、そこに至るまでの過程で多くの選手たちが前進し、すぐに立ち上がり、攻撃参加を繰り返しました。
だが中国も粘ります。4分、ヤン選手がこの日、2つ目のトライ。コンバージョンも決まり7点差に。それでもサクラセブンズは得意のディフェンスで踏ん張り、21対14で逃げ切りました。
サクラセブンズは昨年9月にW杯南アフリカ大会で過去最高の9位に入りました。コアチーム(全大会に出場できるチーム)に昇格したワールドラグビーセブンズシリーズ(WS)では、1月のハミルトン(ニュージーランド)大会6位、5月のトゥールーズ(フランス)大会5位になるなど、年間総合順位で過去最高の8位に入りました。これにより来季のWSコアチーム残留が決定しました。
特にディフェンスの安定はここ最近の戦いぶりを見ても明らかです。9月のアジア競技大会で3完封、優勝した10月のアジアシリーズは全4試合で1桁失点(1完封)、このパリ五輪予選でも2試合を無失点に抑えました。中国との決勝では、要注意人物のチェン選手をシャットアウト。「日本の強みはファイヤー(前に出る)のディフェンスなので、決勝でそれを出すことができてよかった」と平野選手は語りました。
「ここからパリでメダル獲得するという目標をしっかり立てて、やっとスタートできる。もう一段階成長できるようにみんなでやっていきたいと思います」
パリ五輪まで、残り8カ月。ここからの上積みに期待がかかります。
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