エディー・ジョーンズHCにとって、通算76キャップのフッカー堀江翔太選手の後釜探しは、課題のひとつです。目下、その一番手と目されているのが、東芝ブレイブルーパス東京の原田衛選手です。6月のイングランド代表戦で初キャップを記録、9月のパシフィック・ネーションズ・カップのアメリカ代表戦では代表初トライをあげました。エディーHCがテストマッチ全試合に起用していることからも、その期待の高さが窺えます。
原田選手は桐蔭学園高校、慶應義塾大学を経て2022年春に入団した25歳です。身長177センチ、体重102キロ。セットプレーのみならず機動力を生かしたボールキャリーに定評があります。実質2季目の昨季(23-24シーズン)はプレーオフを含む17試合に出場、ブレイブルーパスのリーグワン初優勝に貢献し、自らはベストフィフティーンに選出されました。
過日、ジャパン最多の通算98キャップを持つ大野均さん(現・東芝ブレイブルーパス東京アンバサダー)に話を聞く機会があり、「注目している選手は?」と訊ねると、間髪入れずに「原田衛ですね」と返ってきました。
「僕は、彼は“ラグビー界の大谷翔平”だと思っています。練習が休みの日でもクラブハウスに行って何かしらトレーニングしている。彼に“休みは何しているの?”と聞くと、“とりあえずクラブハウスに行って、インナーマッスルを鍛えています”と。“それじゃ休んでないじゃん!”って(笑)。でも、それが彼のリラックス方法なのかもしれません」
それにしても“ラグビー界の大谷翔平”とは……。
蛇足ですが、ドジャースがパドレスに勝ち、ナ・リーグ西地区優勝を決めた直後のことです。シャンパンファイトを済ませ、スタジアムに姿を現した大谷選手、傍の真美子夫人に「帰る?」と聞くと「えっ!?」と返され、「もうちょっと味わった方が……」。夫人への気遣いに加え、早く家に帰ってリラックスしたいという思いもあったのかもしれません。
話を原田選手に戻しましょう。彼のストイックさについては、トッド・ブラックアダーHCも「練習をし過ぎるところがある。あれだけ試合(代表戦全試合出場)を経験した後、東芝に戻ってきてもずっとウエイトをしている。“クラブハウスに来るな!“と私と薫田(真広ゼネラルマネジャー)さんで言わなければいけないと思っているくらい」と語っていました。
さらには、こんな話も。
「彼を見ていると、若い時のコーディー・テイラーを彷彿とさせる。ここからどんどん良くなっていくと期待しています」
コーディー・テイラーとは、オールブラックスで90キャップを超える世界屈指のフッカー。身長183センチ、体重110キロ。強力なセットプレーに加え、スピードを生かしたボールキャリーが武器という点で、原田選手が目標とすべきプレーヤーです。
大谷翔平選手の次はコーディー・テイラー選手。25歳の未来は、どこまでも明るいようです。
さて、原田選手は、今季もバイスキャプテンとしてキャプテンのリーチマイケル選手を支えます。「彼は英語も話せるし、よく考えている。自分のスタイルを見つけてリーダーシップを発揮してほしい」とはリーチ選手。元代表キャプテンのもとで英才教育を受けているようにも見えます。ジャパンフィフティーンとして若手主体で臨んだ、この夏のマオリ・オールブラックスとの試合では、エディーHCから共同キャプテンに指名されました。将来を見据えての起用だと思われます。
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