日本ラグビーフットボール協会は23日、ジャパンの直近5試合を含む6~7月の代表活動を総括するメディアブリーフィングを実施しました。永友洋司チームディレクターは「エディー(・ジョーンズ)ヘッドコーチ(HC)が目指すラグビーは間違っていないと、私自身は評価しています」と語ったものの、第2次エディー政権の船出は1勝4敗と「厳しいスタート」(エディーHC)となりました。
5試合の戦績は以下のとおりです。
・6月22日 イングランド代表 ●17対52
・6月29日 マオリ・オールブラックス ●10対36
・7月6日 マオリ・オールブラックス 〇26対14
・7月13日 ジョージア代表 ●23対25
・7月21日 イタリア代表 ●14対42
ネットなどではエディーHCに対し、厳しい意見も散見されますが、まだ5試合を消化しただけです。エディージャパンでもプレーした元日本代表の大野均さんは「4年後に向けての1年目。世界ランキング10位相当の実力を持つと言われるマオリ・オールブラックスには勝ち、日本ラグビーの歴史をつくった。しかも若いメンバー。エディージャパンの大きな成果だと思います」と評価していました。
エディーHCも、ここまでの結果は想定内だったようです。
「チームの方向性については希望を抱いている。チームをつくるのには時間がかかります。現在(選手の総キャップは)200キャップですが、そのうちの90近く(87)はリーチマイケルのものです。だからチームとしてはまだ始まったばかり」
ちなみに第1次政権初年度(2012年)は初陣(アジア五カ国対抗・カザフスタン代表戦)で大勝(87対0)するなど、5連勝しました。今回はイングランド、マオリ・オールブラックス、ジョージア、イタリアが相手ですから、そう思うようにはいきません。
ブリーフィングでは「強豪に勝つには今後、どのくらい時間が必要だと思われますか?」との質問が飛びました。
「いつかは言えない」とエディーHC。「このような若いチームをつくるときに一般的に言えることは、チームとしていかにハードワークできるかが大事。そして、どこかの試合でブレイクスルーを起こす。私の経験では、(勝利した)2013年のウェールズ戦がそうだった。あの試合はブレイクスルーへの突破口となる試合で、チームが自分たちを信じ始めた。(強豪相手の勝利を)いつかとは言えないが、自分たちの原理に沿ってプレーをし続けること。正しいプレーヤーをセレクションしていくことが結果につながると信じている」
ウェールズ戦は、今から11年前の6月15日、東京・秩父宮ラグビー場で行われました。ウェールズは当時シックスネーションズ(欧州6カ国対抗)2連覇中で、世界ランキング5位。若手主体とはいえ、格上相手に23対8で勝利したのですから、これはちょっとしたサプライズでした。
しかし、選手たちによると「必然の結果」だったようです。この試合、ロックでスタメン出場した大野さんは、こんな裏話を披露してくれました。
「試合中、キャプテンの菊谷(崇)さんと目が合って笑った。“試合の方が(練習より)楽だね”と(笑)」
大野さんによれば、エディーHCのスパルタトレーニングは2年目に入ってから本格化し、徐々に強度を上げていったようです。
「試合より練習の方がしんどかった。試合中はエディーさんもガミガミ言ってきません。練習中はピッと(笛を吹いて)止められて、バーッと言われるだけですから」
さて、エディーHCは、どのあたりでブレイクスルーしたいと考えているのでしょう。秋のテストマッチシリーズでは、ニュージーランド代表、フランス代表、イングランド代表と戦います。“実りの秋”に期待しましょう。
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