来年1月に開幕する「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」(リーグワン)には、世界的ビッグネームが参集します。代表的な選手がニュージーランド代表スタンドオフ/フルバックのダミアン・マッケンジー選手(東京サントリーサンゴリアス)、オーストラリア代表ウイングのマリカ・コロインベテ選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、南アフリカ代表フランカーのピーターステフ・デュトイ選手(トヨタヴェルブリッツ)――。その中から、今回はマッケンジー選手を紹介します。
マッケンジー選手はニュージーランド南部インバーカーギル出身の27歳。身長177センチ、体重78キロ。相手を一瞬にして置き去りにするスピードと切れ味鋭いステップが最大の武器です。「時間とスペースがあるところでのプレーは得意。フィールドのどこからでもアタックできるところを見せたい」と本人。
加えて正確なプレースキックも持ち味で、蹴る前に笑みを見せるルーティンから“微笑みの貴公子”と呼ばれています。活躍が期待された19年W杯日本大会出場は、ヒザのケガのため最終スコッドに入れず、来日を果たせませんでした。
リーグワン参戦の理由について、本人はこう語っています。「日本の速い展開のラグビーは自分に合う。それに日本の人々は優しい。(昨季までサンゴリアスに所属していた)ボーデン・バレットにも相談したが、日本行きを勧めてくれた」。スーパーラグビー(SR)のチーフス(ニュージーランド)、ニュージーランド代表でも数回来日しており、日本には好印象を抱いていたそうです。
そんなマッケンジー選手に対し、チームメイトとなったウイング江見翔太選手は「ボールを持つと“何をしてくれるんだろう”というワクワク感がある選手。チームにどのように影響していくか、僕たちも楽しみ」と語っていました。
記憶に新しいのは、2018年3月、秩父宮ラグビー場でのSRチーフス対サンウルブズ戦です。
スタンドオフで起用されたマッケンジー選手は両軍最多の26得点を記録し、61対10の大勝に貢献しました。特に後半のプレーは圧巻でした。後半5分、敵陣右中間でボールを持つと、大外へ弾丸のような飛ばしパス。ウイングのトニ・プル選手からのリターンパスを受けたマッケンジー選手はフリーのスペースに抜け出し、インゴール右にトライを決めました。さらに、その10分後、味方のショートパントに反応すると右サイドを駆け抜け、インゴール右に飛び込ました。また終了間際にはディフェンスの裏を突くショートパントで味方のトライを演出しました。
周知のようにサンゴリアスラグビーの代名詞は「アグレッシブ・アタッキング・ラグビー」です。「日本ラグビー界を牽引する存在であるとともに、東京から世界に認知されるクラブでありたい」と田中澄憲GM。高邁なミッションを掲げて船出するサンゴリアスにとって、マッケンジー選手は欠かせないピースでした。田中GMは続けます。
「東京から世界へチームを発信するには、世界のトッププレーヤーがサンゴリアスでプレーすることが必要。我々のアグレッシブ・アタッキング・ラグビーに一番フィットする選手が彼でした。それにダミアンは決して大きい選手ではないが、世界のトップで活躍している。ラグビーをやっている子どもたちみんなが、間近で見られることで勇気をもらえる。そこにも期待しています」
新リーグでは各チームの集客力にも注目が集まります。サンゴリアスの初年度のチケット収入目標は4億円。「(目標達成のためにホストゲーム8試合で)70%は入れたい」と田中GM。その目玉がマッケンジー選手というわけです。リーグワンでは、前身のトップリーグ時代、協会が保持していた興行権を各チームが担います。ホストゲームのチケット売り上げは、チームの重要な収入源となります。マッケンジー選手にはアタッキングラグビーの広告塔としての期待もかかります。
21年の当コラムはこれが最後の更新となります。新年は1月6日スタートです。読者の皆さま、ご愛読ありがとうございました。来年も引き続き宜しくお願いいたします。
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