サントリーサンゴリアスの松島幸太朗選手は、トップリーグの今シーズン終了後、フランスのプロリーグ「トップ14」のASMクレルモン・オーヴェルニュへ移籍します。先月28日、両クラブから正式に発表され、契約は2022年6月までの約2年間となります。複数年契約に松島選手に対するクラブ側の期待の高さが窺えます。
松島選手が移籍するクレルモンはリーグ優勝2回、準優勝11回の名門クラブです。ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップでは優勝争いの常連で、2013年、15年、17年と準優勝しています。昨秋のW杯日本大会でジャパンが対戦したスコットランド代表スクラムハーフのクレイグ・レイドロー選手、サモア代表フルバックのティム・ナナイウィリアムズ選手などが在籍していることに加え、プロップのラバ・スリマニ選手、ロックのセバスチャン・ヴァアマイナ選手、スタンドオフのカミーユ・ロペス選手などフランス代表がゴロゴロいます。
移籍発表に際し、松島選手はサントリーのHPで、こうコメントしました。
<契約に至った経緯としては、2023年のフランスW杯に向け、更に成長するために、「高いレベルそして強いクラブでやりたい」という気持ちと「自分が求められているところに行きたい」という思いがあり、そういった意味でクレルモンから非常に熱意が伝わってきたことが決め手となりました。僕の求めているものがすべて一致したのがクレルモンでした>
今月22日の日野レッドドルフィンズ戦後に報道陣に囲まれた松島選手、改めてフランスへの思いを口にしました。
「また違った環境になると思うので、新しい経験ができ、選手としてレベルが上がると思う。楽しみにしています」
これまでフランスに渡った日本人選手と言えば、村田亙さん(アビロン・バイヨンヌ)、吉田義人さん(USコロミエ)さん、大畑大介さん(ASモンフェラン。現クレルモン)、齊藤祐也さん(USコロミエ)、岩渕健輔さん(USコロミエ)、五郎丸歩選手(RCトゥーロン)、日野剛志選手(トゥールーズ)らが浮かびますが、トップ14に出場したのは五郎丸選手と日野選手だけです。
松島選手は今シーズン終了後、クレルモンに合流します。こう意気込みを語りました。
「1年目はどういったプレーで、自分がそのチームでどういう存在になるかが重要になると思う。そこは毎試合意識を高く持ってやっていきたい。今後もクレルモンでずっとやれればいいし、チームに必要とされる存在にならなければいけないと思います」
活躍のカギはどこにあるのでしょう。クレルモンの前身・ASモンフェランに一時在籍し、チームの先輩にあたる大畑さんは「僕の時代と彼の時代では全く違う」と前置きしたうえで、こう期待を寄せていました。
「ポテンシャルで言ったら間違いなく通用します。いかに気持ちよく生活するかが、大事です。環境が変わった中で生活リズムを崩してしまうと、プレーにも影響が出ますから。プレーに専念できる環境をつくることが一番大事。彼は南アフリカで生まれ、スーパーラグビーのチームへの移籍も経験している。その点では海外に行くことに対するストレスも少ないと思う。おそらく新しい環境で自分が何ができるのかという希望の方が大きいんじゃないでしょうか」
さらに大畑さんはこうエールを送ります。
「彼が頑張ってくれることによって、次の世代の人たちにはすごく大きな道になる。その意味じゃ、僕は道をつくれなかった。その後、なかなか選手が海外に行くという決断をするのが難しかったかもしれない。だから、先に行く人間としては背負うものがあるんです。彼がフランスで輝いてくれれば、日本、日本人の価値が高くなる。その気持ちで頑張ってほしいと思いますが、その前に何よりも楽しんでプレーしてほしいなと思いますね」
開拓者としての覚悟は、もちろん松島選手の胸にもあります。
「ここで活躍しないと日本人選手に対し、ネガティブなイメージがつく。皆もフランス、海外に行っても活躍ができる力はあると思う。そういった選手たちが思い切って決断できるよう、勢いをつけたい」
3年後のW杯はフランスで行われます。松島選手には目の肥えたフランスのラグビーファンに「ジャパンのフェラーリ」としての存在感をアピールしてもらいたいです。
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