リーグワンディビジョン1は3月26日で第13節を消化しました。いよいよ残りは3節です。連覇を狙う首位の埼玉パナソニックワイルドナイツ(ワイルドナイツ)が13戦全勝(勝ち点58)でプレーオフ(PO)進出を決め、残り3枠を、勝ち点51のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(スピアーズ)、同47の東京サントリーサンゴリアス(サンゴリアス)、同43の横浜キヤノンイーグルス(イーグルス)、同39の東芝ブレイブルーパス東京(ブレイブルーパス)の4チームで争う展開です。今回は当落線上の5位・ブレイブルーパスに焦点を当てました。
開幕前、リーグワン初優勝、リーグ戦13季ぶりの王座奪還を狙っていたブレイブルーパスですが、スタートダッシュに失敗しました。開幕戦でワイルドナイツに19対22と黒星発進。リーグ戦半分を消化した時点(8節終了)で、4勝4敗の5位。第9節にはPO進出を争うスピアーズに27対46で敗れ、4位のイーグルスとの勝ち点差は10にまで広がりました。そこからチームを建て直し目下、イーグルスとの勝ち点差はPO進出が狙える4です。
尻上がりに、よくなってきた要因をブレイブルーパスのトッド・ブラックアダーヘッドコーチ(HC)は“アルファ”に求めます。HCのいう“アルファ”とは交代出場選手のことです。ちなみにワイルドナイツでは、その役を“マッド”と呼び、昨季はフッカーの堀江翔太選手が水を得た魚のように大活躍しました。
話をブループルーパスに戻しましょう。今季13試合中8試合で、“アルファ”を務めたのがフッカーの原田衛選手です。スタメンと“アルファ”の役割の違いについての彼の理解はこうです。
「スタートは試合をつくる。アルファはチームを勢い付けることを意識しています」
それを裏付けるデータがあります。ここ4試合、ブレイブルーパスは原田選手が投入されてから、10分以内に必ずトライを奪っているのです。
まず第10節のコベルコ神戸スティーラーズ(スティーラーズ)戦。原田選手投入から8分後、フランカーのマット・トッド選手がインゴール目前に迫り、スクラムハーフ小川高廣選手がねじ込みました。
続くNECグリーンロケッツ東葛(グリーンロケッツ)戦は、ラインアウトからのモールで、交代直後の原田選手が押し込みました。
第12節のトヨタヴェルブリッツ(ヴェルブリッツ)戦でも、原田選手投入から3分後にトライが生まれました。FW陣が体をぶつけながらゴール前に迫り、最後はロックのジェイコブ・ピアス選手がインゴール左に飛び込みました。
第13節のリコーブラックラムズ東京(ブラックラムズ)戦でも、原田選手投入から7分後にトライが生まれました。途中出場のスクラムハーフ、ジャック・ストラトン選手からパスを受けた原田選手は鋭いステップで加速し中央突破、最後は右手を伸ばし、ゴールポスト右にボールを置きました。
ブラックアダーHCが「アルファが素晴らしかった」と称えたのはブラックラムズ戦直後の記者会見です。「精度の高いプレーでインパクトを与えてほしかった」との思いを込めて交代選手をピッチに送り出したそうです。「ここまでの数試合、“アルファ”のインパクトが素晴らしく、いい影響を与えてくれていると思います。特にこういった均衡した試合では、交代で入る選手のインパクトがとても大事になります。前節のヴェルブリッツ戦でも交代で入った選手が、いい違いを生み出してくれました」
ブレイブルーパスには験のいいデータもあります。実は昨季も8節終了時点では今季と同じ4勝4敗(順位は6位)だったのです。第10節終了時点で、4位との勝ち点差は7ありましたが、第11節から6連勝し、PO圏内の4位に滑り込みました。要するにスロースターターなのです。今季もラストスパートに注目です。
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