来年1月開幕予定のラグビー新リーグの名称が「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」(ジャパンラグビーリーグワン)に決まりました。7月16日には参入24チームのディビジョン分けが発表され、1部12チームは、全て前身のトップリーグ(TL)在籍チームでした。
ジャパンラグビートップリーグ(JRTL)は7月16日に記者会見を開き、日本ラグビー協会会長も務める森重隆理事長は「これから私たちはラグビーでもメイド・イン・ジャパンで世界一を目指したい」と抱負を述べました。リーグワンが掲げるビジョンは「あなたの街から、世界最高をつくろう」です。
「世界一のリーグ」を目指すリーグワン。初年度を1部で戦う12チームは以下の通りです。
NECグリーンロケッツ東葛(旧NECグリーンロケッツ)
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安(旧NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)
NTTドコモレッドハリケーンズ大阪(旧NTTドコモレッドハリケーンズ)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(旧クボタスピアーズ)
コベルコ神戸スティーラーズ(旧神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
埼玉パナソニックワイルドナイツ(旧パナソニックワイルドナイツ)
静岡ブルーレヴズ(旧ヤマハ発動機ジュビロ)
東京サントリーサンゴリアス(旧サントリーサンゴリアス)
東芝ブレイブルーパス東京(旧東芝ブレイブルーパス)
トヨタヴェルブリッツ(旧トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
横浜キヤノンイーグルス(旧キヤノンイーグルス)
リコーブラックラムズ東京(旧リコーブラックラムズ)
公式名称こそ企業名を残すチームが多数ですが、呼称からは多くのクラブが企業名を外しました。そんな中、静岡ブルーレブスと東芝ブレイブルーパス東京は新たに法人を立ち上げました。分社化、独立採算制への移行に向けたステップと考えたいものです。
残念だったのは1部12チームの中に北海道、東北、北信越、中国、四国、九州をホストエリア(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安は宮城県仙台市、横浜キヤノンイーグルスは大分県をセカンダリーホストエリア)に設定するチームがなかったことです。
一方で「東京」をチーム名に冠したチームは5つもありました。「TL時からの地域を大切にしてきた」と言えば聞こえはいいかもしれませんが、これを全国リーグと呼ぶには、一抹の寂しさを禁じ得ません。
1月の小欄から引きます。
<ディビジョン1が12チームで編成されるのはいいとして、どこかの地域に“一極集中”するようでは全国リーグの体をなしません。Jリーグは発足にあたり、それまでクラブとして実態のなかった清水エスパルスを「サッカーどころ静岡の代表」としてオリジナル10(Jリーグ発足時に加盟した10クラブ)に加えました。実力が違うチームが対戦した場合、点差の開くラグビーをサッカーと同じように考えることはできませんが、ぜひとも将来的に取り残される地域がないような見取り図を描いてもらいたいものです>(2021年1月21日更新)
しかしリーグワンの1部には、Jリーグ発足時に滑り込んだ清水や鹿島アントラーズのようなケースはありませんでした。清水は企業母体を持っていませんでしたが、地域密着型クラブのモデルケースとして承認されました。鹿島の前身にあたる住友金属(住金)はジャパンサッカーリーグ(JSL)2部の弱小チームでした。
時計の針を巻き戻すことはできませんが、もしJリーグ創設時点で住金が参入していなかったら、スタジアム建設の機運はしぼみ、鹿嶋市一円がサッカータウンとして発展することはなかったでしょう。今や鹿島はJリーグを代表する強豪クラブに成長し、主要タイトル獲得数は国内最多の20冠を誇ります。
ラグビーに話を戻しましょう。森理事長は16日の記者会見で「今回、地域性は考えませんでした」と一言。今後はどうなるのでしょう。
「ホストエリアはチームの皆様が活動を広げていただくラグビーの商圏。非常に大切なものとして考えています。その中で現時点において重なりがある部分はございます。最初の3年間を試行錯誤を進める期間として定め、各チームの取り組みによって、適切な見直しを図っていくことを考えている」(JRTL東海林一専務理事)
ホストスタジアムの確保についても、初年度においては“努力目標”に後退しました。
「ホストスタジアムについては、各チーム鋭意進めていただいている。初年度は必ずしも十分に獲得できないケースもある。これは準備期間の問題もある。こちらにつきましても最初の3年間はリーグがいろいろなサポートをしながら、獲得に動いていていただく」(同前)
JRTLは来年1月からの3シーズンをフェーズ1(22~24年)、25年以降の4シーズン(25~28年)をフェーズ2、29年以降の4シーズン(29~32年)をフェーズ3と定め、段階的に競技性・事業性を強化していくとしています。ラグビーファンは全国にいます。ユニバーサル・サービス化の視点も必要でしょう。
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