ジャパンフィフティーンは6月29日、東京・秩父宮ラグビー場でマオリ・オールブラックス(ニュージーランド先住民族マオリの代表)と戦い、10対36で敗れました。1週間前のイングランド戦に続き、エディー・ジャパンは2連敗発進です。
イングランド戦後の会見でエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は、マオリ・オールブラックス戦の位置づけについて、こう語っていました。試合1週間前のことです。
「いつも目的は“勝つこと”ですが、現状、日本のラグビーは選手層が薄いと思っています。リーグワンでプレーした選手のうち、日本人は53%と少ない。だから選手を育てていくことも大事になります。2027年W杯までに、各ポジションに3人の能力の高い選手を用意しなければなりません。世界のトップ4になるにはそれが必須で、今そのプロセスを進めているところです」
予告通りエディーHCは、イングランド戦から10人を入れ替え、「育成」色の濃いメンバー編成で29日の試合に臨みました。2試合連続スタメンとなったのはフッカー原田衛選手、ウイング根塚洸雅選手、両センターの長田智希選手とサミソニ・トゥア選手、フルバック矢崎由高選手の5人。原田選手、矢崎選手、トゥア選手は先週初キャップを刻んだばかりで、根塚選手と長田選手もキャップ数は1桁です。リザーブには3人の大学生を入れました。
先制したのはジャパンフィフティーン。前半6分、敵陣左のラインアウト。最後は原田選手がラックからボールを拾うと、空いたスペースを見逃さず、インゴール左に飛び込みました。
幸先良いスタートを切ったものの、ジャパンフィフティーンは決定力を欠きます。再三チャンスをつくりましたが、得点を奪えません。イングランド戦に続き、決定力不足という課題が浮き彫りになりました。
一方、マオリ・オールブラックスはチャンスを逃さず、着実に得点につなげていきます。前半を17対5で終えると、後半もその流れを渡しませんでした。
ジャパンフィフティーンは終了間際に根塚選手の2試合連続トライで意地を見せたものの、最終スコアは10対36と完敗でした。イングランド戦と同じく先制しながらの逆転負け。後半のトライも勝敗がほぼ決してからのものでした。
試合後、エディーHCは「決定力」について言及しました。
「我々は敵陣22メートル内に11度入り、対するマオリ・オールブラックスは7度。そのほとんどを得点に結びつけてきた」
マオリ・オールブラックスは7度のチャンスで6つのトライをあげたのに対し、ジャパンフィフティーンは11度のチャンスで2つのトライ。どうにもフィニッシュがうまくいきません。
共同主将を務めた原田選手は「エクスキューション(遂行力)に尽きると思う」と課題を口にしました。
「世界のトップ4になるためには、我々にとって何が合っているのかいないのか、現在は試行錯誤しながら確かめているところです」とはエディーHC。トップ4になるためには、もちろん決定力の改善が欠かせません。しかし言うは易し、行うは難し。言うなれば決定力も実力の一部です。
ただし、日本には“詰将棋”という文化があります。そこに決定力向上のヒントが隠されているかもしれません。
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