ラグビー女子日本代表はさる11日、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州で同米国代表と対戦し、17対17で引き分けました。後半37分まで3点リードするなど、格上相手に健闘しました。
女子日本代表は、来年8月22日から約1カ月間イングランドで開催される第10回W杯で初のベスト8入りを目指しています。日本は過去9大会中5大会に出場していますが、まだ決勝トーナメントに進出したことがありません。
イングランド大会でベスト8入りを狙う日本にとって、米国代表は“現在地”を知る上で格好の相手でした。
ラグビーのイメージが薄い米国ですが、1991年の第1回大会では栄えある初代女王に、その名を刻んでいます。
世界ランキングは日本が11位に対し、米国は7位(2024年8月11日時点)。この秋に開催される国際大会の「WXV2024」では、日本がディビジョン2で、米国がディビジョン1です。
両国の過去の対戦成績は米国の2勝0敗。初対戦は94年のW杯スコットランド大会の1次リーグ。0対121と大敗しました。その翌年には、男子がニュージーランド(南アフリカ大会)に17対145と大惨敗を喫しています。男子ほど話題にならなかったのは、女子W杯の注目度が、まだそれほど高くなかったからでしょう。
2度目は2022年のW杯ニュージーランド大会の1次リーグ。前半こそ5対3とリードしましたが、後半に突き放され、17対30で逆転負けを喫しました。
この日先制したのは日本でした。12分、敵陣左からのラインアウトモールでプロップ北野和子選手がトライ。スタンドオフ大塚朱紗選手のコンバージョンキックも決まり、7対0。
しかし31分、米国のスクラムハーフ、オリビア・オルティーズ選手が日本の守備のスキを突くなど、7対7に。
日本は36分にセンター小林花奈子選手がインゴール左隅に飛び込んで再びリードを奪ったものの、終了間際に1トライ1ゴールを返され、前半は12対14で終えました。
後半5分、日本は左サイドのラインアウトモールにバックスも加わり、インゴール左まで押し切ってトライ。大塚選手のコンバージョンキックはゴールポストに阻まれましたが、17対14。その後、日本は米国に押し込まれながらも耐え、米国戦初勝利が見えてきたものの、38分に自陣でノーボールタックル。これは痛恨の反則でした。
米国はゴールまで22メートルの距離で、ショット(ペナルティーゴール=PG)を選択し、スタンドオフのマッケンジー・ホーキンズ選手がこの日3本目のプレースキックを決めました。そのままスコアは17対17で動かずノーサイドとなりました。
試合後、米国のシオネ・フクフカヘッドコーチ(HC)は日本を「タフな相手であることは、80分間戦ったことで改めて実感した。フィジカルとスピードがあって、ブレイクダウンでもボールを奪うことや、スペースを見つけるのが難しかった。フィジカルでプレッシャーを受けた」と高く評価しました。
これを受け日本のレズリー・マッケンジーHCは「たくさんの選手たちは明日、『身体が痛い』と言って起きると思うが、これが今の我々のフィジカル。フィジカルがトレードマークの米国から『フィジカル』という言葉を引き出せたことで、我々のエフォートが十分なものだと示せたと思います」と満足そうに語りました。
象徴的だったのが前半36分の得点シーンです。フランカー川村雅未選手が敵陣で米国の選手に押し勝ち、反則を誘いました。
スクラムハーフの津久井萌選手はボールをタップし、リスタート。左に展開し、素早いパス回しから大外の小林選手がフィニッシュしました。男子日本代表の“超速ラグビー”のお株を奪うものでした。
米国とは17日に静岡・エコパスタジアムで再び戦います。成長の手応えを確信に変えるような戦いぶりに期待しましょう。
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