2季目のリーグワンは12月17日に開幕します。ディビジョン2の三重ホンダヒートは悲願のディビジョン1昇格に向け、大型補強を敢行しました。アルゼンチン代表元キャプテンでナンバーエイト/フランカーのパブロ・マテーラ選手、オーストラリア代表20キャップのウイング/フルバックのトム・バンクス選手ら世界的ビッグネームに加え、ジャパン31キャップのウイング/フルバック藤田慶和選手を獲得しました。
昨季、ヒートは入れ替え戦に進んだものの、NECグリーンロケッツ東葛に敗れ、ディビジョン1昇格を逃しました。先述の大型補強からは、ディビジョン1昇格への強い意気込みが窺えます。
「今、三重がめっちゃ熱い。なかなかパブロ・マテーラ、トム・バンクス、(南アフリカ代表19年W杯日本大会優勝メンバーの)フランコ・モスタートという3人が1試合で観られることはないと思います」とは29歳の藤田選手。「ラグビー人生の第2章」を目指し、心機一転、埼玉パナソニックワイルドナイツから移籍してきました。
藤田選手は東福岡高校、早稲田大学、ワイルドナイツと、文字通りラグビーのエリートコースを歩んできました。2012年5月、ジャパン史上最年少の18歳7カ月27日で初キャップを刻んだUAE代表戦では6トライをあげるなど圧巻のデビューを飾りました。15年W杯イングランド大会でも代表入りし、1試合に出場しました。また7人制ラグビー(セブンズ)のプレーヤーとしても活躍し、東京五輪の日本代表にも選出されています。
このように輝かしいキャリアを誇る藤田選手ですが、昨季はリーグワン初代王者に輝いたワイルドナイツにあって、本人は出場1試合と蚊帳の外でした。
「昨季はラグビーをしていて初めて“何のために練習をしているんだろう”という気持ちになった難しいシーズンでした」
21‐22シーズンを終えた藤田選手は「プロは試合に出てナンボ」と、6シーズン在籍したワイルドナイツからの移籍を決意します。ディビジョン1を含め複数チームのオファーから選んだのが「一番熱く誘ってくれた」という、ディビジョン2のヒートでした。
「GMの前田(芳人)さんに『ディビジョン1に上がるために必要だから来てくれ』と言っていただいた。これだけ必要とされることは人生でもあまり多くないこと。前田さんの熱い言葉に僕も『一緒に戦いたい』と思ったんです」
三重ホンダヒートの前身は1961年創部の本田技研ラグビー部です。リーグワンの前身、トップリーグでの最高成績は9位。かつてはジャパンでも活躍しているプロップ具智元選手(現・コベルコ神戸スティーラーズ)や元ジャパンのウイング山田章仁選手(現・九州電力キューデンヴォルテクス)らが在籍していました。
ちなみにヒートのホストエリアである三重は、サッカーJFLの鈴鹿ポイントゲッターズのホームタウン(三重県鈴鹿市)でもあります。本拠地はヒートと同じ三重交通Gスポーツの杜鈴鹿サッカー・ラグビー場。言うまでもなくポイントゲッターズには“キング・カズ”こと三浦知良選手が所属し、22年シーズンは観客動員が飛躍的にアップしました。開幕戦では4620人(四日市中央陸上競技場)を集め、サッカー界を驚かせました。
地域密着を標榜するJリーグに倣い、リーグワンも<地元の結束、一体感の醸成>をミッションに掲げています。藤田選手は「地域との連携は強いと思います」と語り、こう抱負を口にしました。
「普及活動やビーチクリーン活動などを行っている、すごく地域に根付いているチームだと思っています。地元の方たちを喜ばせられるようなプレーをしたい。また皆さんに誇ってもらえるチームになれるように今シーズンを戦いたいと思います」
ホームで迎える17日の開幕戦、チケットの売り上げは好調だと言われています。「開幕戦は三重が熱くなる日! その日にヒートがいいプレー、勝利を掴むことができれば、いいスタートダッシュが切れると思っています。そのためにも全力で、チームとしていい準備をしていきたい」と藤田選手。新天地での活躍が期待されます。
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