NTTグループのラグビー新事業会社「NTT SportsX」が2022-23シーズンからリーグワン2部に参入する新チーム名を発表しました。「浦安D-Rocks」(ディーロックス)。前身のNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安がリーグワン最長の29文字だったのに対し、新名称は9文字。随分スリム化された印象です。
浦安はリーグワン初年度、ディビジョン1に参戦したシャイニングアークスとNTTドコモレッドハリケーンズ大阪を再編したチームです。活動拠点は千葉県浦安市です。ヘッドコーチ(HC)はレッドハリケーンズ前指揮官のヨハン・アッカーマンさん、強化アドバイザーにはシャイニングアークス前監督のロブ・ペニーさんが就きました。スコッドはスコットランド代表76キャップを誇るスクラムハーフのグレイグ・レイドロー選手、オーストラリア代表73キャップで先日トンガ代表デビューを果たしたフルバックのイズラエル・フォラウ選手らシャイニングアークス勢に、19年W杯日本大会に出場した南アフリカ代表スタンドオフのエルトン・ヤンチース選手、ジャパンのフランカー/ロック、ヴィンピー・ファンデルヴァルト選手らレッドハリケーンズ勢が合流した強力な陣容となりました。浦安が2部からスタートするのに対し、規模を縮小するかたちとなったレッドハリケーンズは社員選手が中心となり、3部で22-23シーズンを戦います。
新チーム名「D-Rocks」の「D」はNTTドコモの「D」を連想するかもしれませんが、Dynamic(躍動)、Dream(夢)、Delight(歓喜)の頭文字を取っています。「Rocks」はRock(岩)のような力強さ、一枚岩を意味し、さらにROX(すごい、最高)という意味も込められています。
特筆すべきは企業名と東京ベイの文字が消えたことです。企業名のないチーム名は、静岡ブルーレヴズ、コベルコ神戸スティーラーズ、トヨタヴェルブリッツ、釜石シーウェイブスRFC、日野レッドドルフィンズに続き、6チーム目。ただしコベルコは神戸製鋼の国際ブランド名であり、カタカナ名のトヨタはトヨタ自動車を想起させます。企業名が完全に付かないチームとしては、浦安が4番目と言っていいでしょう。
今年7月に設立したNTT SportsXの代表取締役社長を務めるのが、レッドハリケーンズの前GM・下沖正博さんです。新名称について、こう説明しました。
「地域に根付いた活動をしたいということで、まず浦安だった。あえてNTTという冠を付けなくても世間に浸透していけるように努力していきたい」
リーグワン初年度、「東京」を名乗るチームは12チーム中シャイニングアークス、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、東京サントリーサンゴリアス、東芝ブレイブルーパス東京、リコーブラックラムズ東京と5つもありました。
それについて、スポニチ紙で私はこう書きました。
<ピッチの熱量を市井の隅々にまで伝え広めるためには、新リーグが理念として掲げる「地元の結束、一体感の醸成」が欠かせない。そのためにも、まずは分かりやすい名称だ。覚えやすい呼称だ。そして目にとまる略称だ。工夫の余地あり、と考える>(2022年2月2日付け)
海外に目を向けましょう。サッカーのイングランド・プレミアリーグでは、首都ロンドンを本拠とするクラブが7つもあります。アーセナル、チェルシー、クリスタル・パレス、トッテナム・ホットスパー、ウェストハム・ユナイテッド、ブレントフォード、フラム。その中に名称にロンドンを冠しているクラブはひとつもありません。
それはラグビーも同様です。イングランドのプレミアシップにおいて、ロンドンに本拠地を置くクラブはロンドン・アイリッシュ、ハーレクインズ、サラセンズと3つありますが、ロンドンを名乗っているのは1つだけです。
話を浦安に戻しましょう。ディーロックスとは覚えやすくていい名称だと思います。少なくとも以前のように舌を噛むことはありません。ビートの効いたラグビーに期待しましょう。
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