ラグビーW杯フランス大会は、南アフリカの2連覇で幕を閉じました。通算4度目の優勝は史上最多です。さて現地時間10月28日、パリ郊外サンドニで行われた決勝戦のピッチに立った南アフリカとニュージーランドの計46選手中6選手がリーグワンのチームに所属しています。今季からプレーする7選手を加えれば、計13選手となります。俄然、12月9日にスタートする3季目のリーグワンに注目が集まります。
以下の13人が今季、リーグワンを舞台に戦う選手たちです。
【南アフリカ】
ロック フランコ・モスタート(三重ホンダヒート)
フランカー ピーターステフ・デュトイ(トヨタヴェルブリッツ)
スクラムハーフ ファフ・デクラーク(横浜キヤノンイーグルス)
ウイング チェスリン・コルビ(東京サントリーサンゴリアス)
センター ダミアン・デアレンデ(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
センター ジェシー・クリエル(横浜キヤノンイーグルス)
リザーブ クワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ)
【ニュージーランド】
ロック ブロディ・レタリック(コベルコ神戸スティーラーズ)
フランカー シャノン・フリゼル(東芝ブレイブルーパス東京)
ナンバーエイト アーディー・サベア(コベルコ神戸スティーラーズ)
スクラムハーフ アーロン・スミス(トヨタヴェルブリッツ)
スタンドオフ リッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京)
フルバック ボーデン・バレット(トヨタヴェルブリッツ)
南アフリカの場合、ロックのエベン・エツベス選手、スタンドオフのハンドレ・ポラード選手らもかつては日本でプレーしていました。
なぜ南アフリカ勢は日本を好むのでしょう。それについてデクラーク選手は、こう語っていました。
「ヨーロッパや南アフリカのリーグに比べて試合数が少ないので、自分のいいコンディションをずっと維持できるのがメリットのひとつ。常に元気な状態で、長くプレーできることは魅力的です」
デクラーク選手が横浜キヤノンイーグルスに入る前にプレーしていたのはイングランド・プレミアシップのセール・シャークス。リーグワンのディビジョン1が年間16試合(プレーオフ進出チームで最大18試合)なのに対し、プレミアシップはリーグ戦だけで22試合もあります(プレーオフ進出チームは最大24)。肉体面、精神面への負担が少ないリーグワンを選んだのは、むべなるかなです。
これについて、ラグビーに造詣の深い経営コンサルタントの杉谷健一郎さんは自著『ラグビーと南アフリカ』(ベースボール・マガジン社)でこう述べています。
<生活環境、特に欧州などと比べても安全で治安がよいということだ。未遂を含めると年間4万件の殺人事件が発生する国から来た人々には、日本の生活は心地よくリラックスできる>
<スーパーラグビーやヨーロッパのリーグから見れば多少試合の強度は落ちるものの、試合数は比較的少なく一流のコーチから指導を受けることもできる>
加えてカネの問題もありそうです。ラグビーの場合、世界的なプレーヤーと言っても年俸は1億円前後と言われています。サッカーはどうでしょう。アンドレアス・イニエスタ選手がJリーグのヴィッセル神戸に入団した際の年俸は30億円。
続いてプロ野球。今年3月、ロサンゼルス・ドジャースを自由契約となったサイ・ヤング賞投手トレバー・バウアー投手が、横浜DeNAベイスターズと交わした契約は年俸約4億円+出来高でした。安上がりの理由は女性に対する暴行疑惑による訴訟を抱えていたためです。ドジャース時代の年俸は30億円以上と見られていました。ちなみに国内でプレーする外国人選手の年俸トップはロベルト・オスナ投手(福岡ソフトバンクホークス)の6億5000万円。このようにサッカーや野球と比べるとラグビーはゼロがひとつ少ないのが実情です。
南半球のスーパーラグビー、フランスのトップ14などと並ぶ世界最高峰のプロリーグ、イングランド・プレミアシップはコロナ禍で複数のクラブが財政破綻したため、世界的な選手がフランスと日本に流れています。またトップ14のトッププレーヤーは年俸1億円程度と言われており、待遇面で日本とそれほど大きな差はありません。生活がしやすい上に円安で、諸外国に比べると物価が安く、かつサービスの行き届いた日本でのプレーを希望する選手は、今後も増えそうです。
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