
ラグビー・リーグワンの2024-25シーズンは、東芝ブレイブルーパス東京の連覇で幕を閉じました。今季、ディビジョン1はプレーオフ進出の枠が4から6に増えたことにより、シーズン終盤まで目の離せない試合が続きました。プレーオフ最後の1枠(6位)は第17節まで、プレーオフの上位シードとなる1位、2位は最終節が終わるまで分かりませんでした。
6月1日、東京・国立競技場で行われたプレーオフ決勝は、ブレイブルーパスがクボタスピアーズ船橋・東京ベイを18対13の僅差で破りました。熱戦が相次いだ今季を象徴するような手に汗握るファイナルとなりました。
翌日(2日)、東海林一専務理事は、今季をこう総括しました。
「競技力の進化が見られ、均衡した試合が多くなった。順位も最後まで競った。21点差以内の試合が昨季は50%でしたが、今季は57%に上がった。この数字に接戦が多くなったことが表れている」
21点差といえば、3トライ3ゴール相当です。W杯やリーグワンで敗戦チームがボーナスポイントをもらえる点差ではありません。
接戦とは以前、小欄(2025年3月20日配信)で述べたように、1トライ1ゴール相当の7点差が妥当でしょう。
とはいえ、接戦の定義は曖昧ですから、その間を取って、ここでは2トライ2ゴール相当の14点差までを、そう見なすことにしました。
今季ディビジョン1は、リーグ戦108試合中61試合、56.5%が14点差以内でした。昨季の50.0%から6.5%増です。
では、選手たちに接戦が増えたとの自覚はあるのでしょうか。オーストラリア代表76キャップのクボタスピアーズ船橋・東京ベイのバーナード・フォーリー選手は「本当に楽な試合はない。競争の激しいリーグ」と語っていました。
また優勝したブレイブルーパスのキャプテン、リーチマイケル選手は「勝つために100%の準備をしなくてはいけなくて、それを5%でも落としたら負けるというリーグになってきた」と語りました。
続いてブレイブルーパスのトッド・ブラックアダーヘッドコーチです。
「シーズンを通して、どこがどこに勝ってもおかしくないですし、実際にアップセットも多かった。各チームの差が縮まって紙一重の勝負になっています」
3季連続のベストホイッスル賞を受賞した古瀬健樹レフリーにも話を聞きました。
「上と下の差がグッと近付いた。どちらが勝つかは読みづらくなり、よりタフな試合が増えた。2点差で終盤を迎え、ひとつのPGで試合が逆転勝ちというケースもありました。そうなると僕らの判定の重みも変わってきます。接戦が多かった序盤は、“まだ1月か”と試合数以上の疲労度を感じたほどです」
常識的に考えて、接戦が増えれば、観客数は伸びるはずです。だが、あにはからんや試合数が増えた影響で全体の総入場者数こそ伸びたものの、1試合平均では1000人以上も減少しました。ディビジョン1に限れば、総入場者数も落ちています。
この点について、東海林専務理事はこう語ります。
「W杯効果の剥落というのがあります。過去においても(W杯直後のシーズンの翌年は入場者数に)大きな落ち込みがあった」
そこで調べてみました。23年W杯フランス大会直後の23-24シーズンは、1試合平均で前年比49%増の6603人。ところが今季は前年比19%減の5325人でした。W杯に左右されないリーグ運営を模索する時期に来ています。
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