1月12日に開幕した今季のトップリーグは第4節が終了し、パナソニック ワイルドナイツが開幕4連勝(勝ち点20)でトップに立っています。スーパーラグビー(SR)のサンウルブズ、東京五輪日本代表候補に主力選手を抜かれながらも、快進撃は続きます。
第4節のキヤノンイーグルス戦では試合開始早々にフッカー坂手淳史選手がレッドカードで退場するアクシデントに見舞われたものの、プロップ稲垣啓太選手、フッカー堀江翔太選手らの活躍で7トライを奪い、51対17で快勝しました。ここまで勝ち点20で、同じ開幕4連勝の2位・神戸製鋼コベルコスティーラーズに勝ち点2差を付け、単独トップです。
4季ぶりの王座奪還を目指すパナソニック。オフシーズンにはスクラムハーフの田中史朗選手、スタンドオフのベリック・バーンズ選手、ウイングの山田章仁選手とチームの顔とも言える選手が他チームへ移籍しました。
今季はトップリーグ(1月~5月)とSR(2月~6月)の日程が重なったため、サンウルブズ入りしたロック谷田部洸太郎選手、フランカーのツポウテビタ選手、フランカー布巻峻介選手、センター/フルバック森谷圭介選手の4人を開幕から欠くことになりました。
東京五輪の7人制日本代表候補として活動しているウイング/フルバック藤田慶和選手はシーズン前からチームを離れています。W杯日本大会で4トライをあげたウイング福岡堅樹選手は2節限定で出場。今後は7人制代表を目指す意向を示しています。
パナソニックは人材の流動性を重んじるチームです。それについて、以前、飯島均GMはこう語っていました。
「田中、堀江、稲垣もそうですが、海外でプレーをしたことで、いろいろな人と出会い、感じたことが成長に繋がっていると思います。また、そういう機会を与えようというチームのカルチャーがある。短期的な勝ち負けだけを追わずに、チームがどうなっていくべきかという気概を持っています」
田中選手は13年からの4シーズンをニュージーランドのハイランダーズ、堀江選手は13年からの2シーズン、稲垣選手は14年からの1シーズンをオーストラリアのレベルズでプレーしました。海外でもまれ、逞しく成長した彼らの活躍を抜きにして、W杯日本大会でのジャパンの躍進は語れないでしょう。
人材の流動性は選手だけにとどまりません。コーチに対しても移籍には寛容な姿勢を示しています。例えば、田邊淳コーチはパナソニックで10シーズン以上プレーした後、14年からBKコーチに就任。その指導力には定評があり、ジャパンやサンウルブズのコーチを務めたこともあります。昨年からはコーチとしてクボタスピアーズを指導しています。
「田邉コーチがクボタに加わることによって日本ラグビー全体のレベルが上がっていく可能性がある。私たちしか持っていないノウハウ、経験を彼がクボタに伝える。私たちからすれば優秀な人材を失ったという見方もできますが、逆の見方をすればリーグ全体が盛り上がる。それがラグビー人気を下支えするからことにつながればいい」(飯島GM)
競争と協調――。リーグの発展にこの二つの要素は欠かせません。ゼロサムではなく、ウインウインの関係構築を模索する飯島GMです。
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