リーグワンディビジョン1(D1)はプレーオフ出場権をかけた戦いとともに、残留争いも熾烈となっていきました。下位3チームが、ディビジョン2(D2)上位3チームとの入れ替え戦(2試合)に回ります。第13節終了時点で、既に11位のNECグリーンロケッツ東葛(グリーンロケッツ)、12位の花園近鉄ライナーズ(ライナーズ)の入れ替え戦行きが決定。6位から10位までの5チームが勝ち点差5の中でひしめき合っています。今回は入れ替え戦ラインの10位・三菱重工相模原ダイナボアーズ(ダイナボアーズ)に注目してみました。
まずはここまでの道のりを振り返りましょう。D2から昇格1年目の今季、ダイナボアーズはリコーブラックラムズ東京(ブラックラムズ)、トヨタヴェルブリッツ(ヴェルブリッツ)に連勝し、好スタートを切りました。第3節に埼玉パナソニックワイルドナイツ(ワイルドナイツ)に敗れたものの、第4節には東芝ブレイブルーパス東京(ブレイブルーパス)を23対19で破るなどして、第8節終了時点では3勝1分け4敗の成績で7位につけていました。
うってかわって、後半戦は第10節ライナーズ戦の1勝のみ。目下、4勝1分け8敗で勝ち点20の10位と苦しんでいます。
4月3日にはグレン・ディレーニーヘッドコーチ(HC)、キャプテンのスクラムハーフ岩村昂太選手らがオンライン会見を開き、ここまでの振り返りと、今後の見通しについて述べました。
「最後の3試合もシーズンを通してやってきた目標と全く同じで、毎週毎週、成長し続けることが一番大事です。我々はディビジョン1に上がってきたばかりのチーム。シーズンを通して、ディビジョン1を学びながら、戦ってきました」(ディレーニーHC)。
「日々学びのシーズン。いい時もあれば悪い時もある中で、選手、スタッフ含め後退することなく成長し続けていると実感しています」(岩村選手)
ではD1とD2の差はどこにあるのでしょうか。ディレーニーHCは「強度が違い、ゲームのスピード、テンポも全く違う。一人ひとりがディビジョン2よりレベルが高い」と言い、こう続けました。
「まずはそこに慣れることが、今季一番の学び。ディビジョン1の高いレベルのラグビーを経験していない選手がいる中、選手たちはいい学びを見せてくれて、ディビジョン1でも戦えるということを証明してくれた。それを誇りに思う」
岩村選手も同じような感想を口にしました。
「ディビジョン2よりも高いプレッシャーの中で、どれだけ自分たちの役割を遂行できるかが問われるシーズンだった。開幕戦から一人ひとりの役割を高いプレッシャーの中で、発揮できたことが学びであり、成長できた部分だと思います」
そんな中、持ち味の粘り強さを発揮した試合が第4節のブレイブルーパス戦でした。ダイナボアーズは前半2トライを奪われながら、身体を張ったディフェンスで追加点を許しません。後半20分にはフランカー鶴谷昌隆選手がトライ、スタンドオフのジェームス・シルコック選手がコンバージョンキックを決め、14対12と逆転。一度は再逆転を許したものの、また試合をひっくり返し、格上のブレイブルーパスを23対19で振り切ったのです。これはダイナボアーズがブレイブルーパスからあげた公式戦初白星でした。
岩村選手は試合後の会見でこう語りました。
<「特に後半に関しては、われわれのDNAを出せたかなと思います。全員がしっかり体を張って、どんなにラインバックされてもしっかり帰る。そして自分たちのラグビーを遂行できたことが今日の勝利の要因だったのかなと思います」>(リーグワン公式HP 2023年1月15日配信)
ダイナボアーズの残り3節の対戦相手は、ヴェルブリッツ、ブレイブルーパス、ブラックラムズ。いずれも前半戦で勝利したチームです。中でも8位ヴェルブリッツと6位ブラックラムズは残留争いのライバルでもあり、絶対に負けられません。
岩村選手は語気を強めて、こう言います。
「入れ替え戦にいくかいかないかの瀬戸際で、プレッシャーは感じますが、やることは変わりません。今までやってきたことを、プレッシャーの中でどれだけ出せるか。それが僕らのチャレンジ。自分たちのラグビーにフォーカスし、残りの3試合を戦っていきたい。それを遂行できれば、おのずと結果はついてくると思います」
生き残りをかけた戦いは、チームを一回りも二回りもタフにするに違いありません。
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