2月26日、2023年秋に開幕するW杯フランス大会の日程が決まりました。プールDのジャパンは9月10日にアメリカ地区第2代表、17日にイングランド代表、28日にオセアニア地区第1代表、10月8日にアルゼンチン代表と対戦します。決勝トーナメントに進出できるのは上位2チームです。
注目されていた試合間隔は中6日、中10日、中9日となりました。これを受け、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)は日本ラグビー協会を通じてコメントを発表しました。
<ワールドカップはどの試合も必ず非常にタフであり、2戦目と4戦目でそれぞれティア1強豪国と戦ううえで、一週間またはそれ以上の試合間隔があることは、ベストを尽くして戦うためにもとても重要なことです>
直近のW杯2大会でキャプテンを務めたリーチ・マイケル選手も歓迎の意向を示しました。
「すごくいいことだと思います。やっとフェアな状態で戦える。2015年の時を振り返ると、南アフリカ代表とやった4日後にスコットランド代表戦。非常にタイトなスケジュールで勝つのが非常に難しかった。これでいろいろなチームが勝つチャンスが増えるんじゃないかなと思います」
試合間隔の重要性を思い知らされたのはエディー・ジャパンとして戦った15年イングランド大会です。ジャパンは初戦、世界ランキング3位(当時)の南アフリカを34対32で破りながら、スコットランド(同12位)に10対45で完敗してしまいました。
完敗の理由にあげられたのが日程です。ジャパンが中3日だったのに対し、スコットランドは大会初戦。しかもジャパンはブライトンからグロスターへ約3時間半の移動という強行軍でした。
結局、ボーナスポイントも奪えなかったこの完敗が尾を引き、ジャパンは3勝もあげながら、決勝トーナメントに進出することができませんでした。
大会後、イングランド大会に出場した元ジャパンの大野均さんから、こんな話を聞きました。
「僕は(スコットランド戦では)メンバー外でしたが、当日は体が重いという感覚がありました。それを思えば南アフリカ戦の激闘に続いての試合、出場選手たちは今までにない徒労感を覚えていたと思います」
一方、19年日本大会はホスト国ゆえ有利な日程が組まれました。ジャパンの試合間隔は中7日、中6日、中7日。1次リーグ突破のライバルと目されていたアイルランドは中5日、スコットランドは中3日で日本戦を迎えました。結果は、ジャパンがアイルランドに19対12、スコットランドに28対21。リカバリーや試合に向けての準備に時間を割けたことが、1次リーグ4連勝、初の決勝トーナメント進出につながったと言えるでしょう。
フランス大会では選手の安全・健康面を配慮し、1次リーグ中の試合間隔は最低でも中5日が確保されました。今回はホームアドバンテージがないジャパンにとって、“中3日”がなかったことに、胸を撫でおろした関係者は少なくなかったはずです。
「中3日では100%な状態で試合ができない。少なくとも強豪国とやる時は120%の力を出さないと勝てない。その意味ではしっかりとした休養と、戦略を落とし込むための時間が大事。特に日本にとって心身の回復は重要なポイントになります」(藤井雄一郎ナショナルチームディレクター)
言うまでもなく、ジャパンにとって1次リーグ最大の強敵は、エディー・ジョーンズHC率いる19年大会準優勝のイングランドです。ジャパンは初戦から1週間後にイングランドと対戦。一方のイングランドは8日後ですからジャパンよりも“1日の長”があります。
「基本的に1日の差はそこまで大きくありません。それよりも最初に戦った相手がどこかの方が大変だと思います」(藤井ナショナルチームディレクター)
ジャパンの初戦はアメリカ地区第2代表です。ウルグアイ、カナダが予想されます。一方のイングランドは15年大会で3位に食い込んだアルゼンチン。どちらの消耗度が大きいかも気になります。
もう一度、リーチ選手のコメントを紹介しましょう。
「2大会連続で、2試合目が非常に大きな試合。1試合目がアメリカグループのチームで、2試合目がイングランド。準備の面は前回大会と同じような感じになると思います」
タイトな日程は、ジャパンにとって強豪国以上の強敵でした。それが緩和されただけでも良しとすべきでしょう。
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