環太平洋諸国が参加する国際大会「パシフィック・ネーションズ・カップ(PNC)」が23日(現地時間・以下同)、フィジーで開幕しました。1次リーグは日本、カナダ、アメリカ(以上、プールB)、フィジー、サモア、トンガ(以上、プールA)の6カ国が2組に分かれ、各国ホーム&アウェイ方式で1試合ずつ戦います。1次リーグの順位で決勝シリーズ(順位決定戦)の対戦カードが決定し、シリーズは全試合、日本で行われます。エディー・ジャパンは25日、カナダ・バンクーバーで地元カナダ代表を55対28で破り、幸先のいいスタートを切りました。
この試合前までカナダとは、過去25回対戦し、15勝8敗2分け(ブリティッシュ・コロンビア州代表戦は含まず)。W杯では2度(07年、11年)対戦し、いずれも引き分けています。
ただ直近5試合は4勝1分けと負け知らず。前回は16年6月、今回と同じ会場で対戦し、26対22で勝利しました。
試合前時点での世界ランキングは日本が14位、カナダが21位。
試合を振り返りましょう。4分、この試合代表初キャップのウイング、マロ・ツイタマ選手のトライで先制すると、7分にはロックのワーナー・ディアンズ選手が持ち前の突進力を生かしてインゴール左に飛び込みました。その後も、スクラムハーフ藤原忍選手を起点としたテンポの速いパス回しから、次々とトライを重ね、前半を38対7で終えました。第2次エディー・ジャパンテストマッチ4戦目にして、初勝利が見えてきました。
後半開始早々に7点を加え、45対7。しかし、5分、10分とカナダに連続トライを許し、じわじわと点差を詰められます。
それでも28分にウイングのジョネ・ナイカブラ選手、終了間際には途中出場の長田智希選手がトライを決め、55対28でノーサイド。ダブルスコアの完勝でした。
以下はエディーHCの試合後のコメントです。
「前半に関しては我々が目指しているラグビーがうまくできていた部分が多かった。フィジカル面(の強さ)も見せられたし、ボールを動かし続けることもうまくできていた。しかしながら若い選手が多かったこともあり、前のめりになるシーンが多く、特に後半はボールコントロールができないシーンが多く見られました」
完勝ながらも、前半と後半の出来にはムラがあったということです。
続いてキャプテンの立川理道選手。
「前半は一人ひとりの役割が明確で、相手のフィジカリティに対してしっかりと前に出ることができて、自分たちのやりたいラグビーができた。ただ、後半は修正しないといけない部分があったと思う。次は80分間を通して自分たちのラグビーができるようにしたいと思います」
80分間を通してのプレーの精度は6、7月の代表活動でも指摘された課題でした。それについてエディーHCは「プロセスを経なければ結果を得ることはできない」と語っていました。まだまだ時間はかかるということでしょう。
このコメントの真意について、PNC開幕前、エディーHCをよく知る元日本代表の大野均さんに話を聞く機会がありました。
「6、7月の代表戦でジャパンが22メートルラインまで攻め込みながら、相手にボールを渡してしまうシーンが何度かありました。この課題を解決するには、テストマッチレベルの試合を数多く経験する以外にない。(決定力が)急にグッと上がることはありません。強豪はなかなかトライを許してくれませんから」
――トライを取り切る上で、選手に求めるものは?
「集中力ですね。今の代表選手たちは、まだ、そこまでの集中力を保てていない。だから大事なところで簡単なミスを犯してしまう。この課題を解決するには、とにかく経験を積むこと。エディーさんは、逆算式で計画を立てていると思います」
次の試合は9月7日、埼玉・熊谷ラグビー場でのアメリカ代表戦。世界ランキングは19位。地の利を生かし、カナダ戦で得た自信を、確信に変えたいものです。
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