
エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)率いるラグビー日本代表(ジャパン)の宮崎合宿が今月16日からスタートしました。2季目に突入した第2次エディー・ジャパン。12日、都内で2025シーズン開幕前会見を行い、新コンセプト「超速 AS ONE」を発表しました。
この新コンセプトは、第2次エディー・ジャパンの旗印とも言える「超速ラグビー」のアップデート版と見ていいでしょう。今回新たに加わった「AS ONE」には、“全員一致”“一斉に”という意味があります。字義通りに解釈するならば、ジャパンがひとつになって超速ラグビーの完成度を高めていくと、とることができます。
当のエディーHCは「AS ONE」について、こう語りました。
「まずはジャパン・ファーストに持っていくこと。特に選手たちには、やることすべてをチームのためにと考えてもらう。チームをどういうふうに守っていくのか、強くしていくのか、と」
指揮官は、スライドを使い、新コンセプトを説明しました。スクリーンには「超速」と「AS ONE」を分け、それぞれ3項目を提示しました。
まずは「超速」です。
①Physical(身体):パス、ラン、キックの速さ②Thinking(思考):考える速さ③Collaboration(共同):連携・団結の速さ――。
これらは、エディーHCが2024年1月1日付けで就任した時から変わらない、いわば「フィロソフィー」です。
「相手よりも速く走るだけでなく、速く考え、速く決断できること。ラグビーは15人とチームスポーツの中でも人数が多い。それぞれが素早く考え、リアクションし、結束して動くことが大事。一人ひとりのアクションだけでなく、頭の回転も速くしていかないといけない」
指揮官は、以上3項目のスピードアップが、ジャパンが世界と伍するための基本と考えています。2季目を迎えた超速ラグビーの改善点をあげました。
「バージョンアップすべきところは、アタックでチャンスを絶対に仕留めること。常に相手より優位に立ち、畳み掛けていく。またボールを持っていない時、つまりディフェンスではワークレートを上げていかないといけない。トップ10カ国のスタッツを見ると、強豪国と比べ、我々はオフ・ザ・ボールでの仕事量が33%少ない。そこをしっかり上げていくことが必要。なぜワークレートが必要ということを選手たちに落とし込んでいきたい。そうすれば、自ずといいラグビーができると思う」
続いて「AS ONE」の3つです。
①Value(価値):共通の価値観②Goal(目標):明確な目標③Action(行動):具体的なアクション――。
価値観、目標を共有し、具体的にアクションを起こしていく。指揮官が重視するのが育成システムの整備です。
「全員が共同作業でつくっていかなければいけない。すべてのリソースを最大限に生かし、高校から大学にかけて優秀な選手たちにしっかりとプレーするチャンスを与える。それによって成長し、代表チームにまで上がってくる育成システムをつくり上げないといけない」
エディーHCは2024-25シーズンのリーグワン・ベストフィフティーンを例にあげ、育成システムの現状に警鐘を鳴らしました。
「リーグワンのベストフィフティーンに選ばれた日本人選手はたった2人でした。これに満足するヤツがどこにいるんだ、という話ですが、この現状をとらえ、今後どうすべきかを考えないといけない。最近、U23日本代表を自分の目で見ました。才能溢れる選手は十分にいます。しかし、彼らを育てるようなシステムが確立されていない。これら優秀な選手たちをきちんとした育成システムで成長させていけば、ベストフィフティーンに入ってくるはず。全員がひとつになった育成システムで、選手たちを育てていかなければいけない。過去最強のジャパンをつくることが私たちの任務だと思っています」
最後に今後のエディー・ジャパンの活動日程です。28日にジャパンフィフティーン(ジャパン予備軍)がマオリ・オールブラックス(ニュージーランド先住民族マオリの代表)と対戦した後、ウェールズ代表とのテストマッチ2連戦(7月5、12日)に臨みます。2季目の進化に期待しましょう。
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