日本ラグビー協会は6月23日、ラグビーW杯フランス大会で代表選手たちが着る新ジャージーを発表しました。デザインは今回もゴールドウィン(カンタベリーオブニュージーランドジャパンが、2022年4月からゴールドウィンのカンタベリー事業部に変更)が担当しました。
代表ジャージーの変遷を辿りましょう。代表チームが初めて結成されたのは1930年のカナダ遠征です。その時のジャージーの胸部分に縫い込まれた桜のエンブレムは、現在のものとは異なります。現在は三つとも「満開」なのに対し、当時は「つぼみ」「半開き」「満開」の三種類の桜がひとつのエンブレムに描かれていました。
初めて「満開」が採用されたのは、52年10月、大阪でのオックスフォード大戦です。スコアは0対35。9トライ(当時は3得点)を奪われての完敗でした。
海外でもすっかり有名になった「ブレイブ・ブロッサムズ」という愛称は、この桜のエンブレムが元になっています。かつては「チェリー・ブロッサムズ」と呼ばれていましたが、2003年W杯オーストラリア大会で日本はスコットランド相手に健闘します。翌日の地元紙には「ブレイブ・ブロッサムズ」との見出しが躍りました。
この時のメンバーである伊藤剛臣さんは、こう語っていました。「スコットランド、フランス、フィジー、アメリカを相手に1度も勝てませんでしたが、ジャパンの意地を見せようと、みんな頭からタックルにいきました。それを世界のメディアが評価してくれたんです。ジャパンは桜のエンブレムから“チェリー・ブロッサムズ”という愛称でしたが、2003年のW杯での身体を張ったプレーから“ブレイブ・ブロッサムズ”と呼んでくれたんです。“勇敢な桜の戦士たち”と。1勝もできませんでしたが、少しはジャパンのプライドを示すことができたかなと……」
さて今回のジャージーの特徴としてあげられるのは、Vネックがクルーネックに変わったことです。首元から肩にかけてのストレスを減らすのが狙いです。デザインはほとんど変わっていません。前回のベスト8進出の験を担いだということでしょう。
では素材面はどうでしょう。今回は再生ポリエステル繊維を使用しました。ファンから集めた計1266枚のポリエステル製ウエアの再利用です。「アパレルの大量廃棄が問題になっている中、我々がリサイクルで高スペックのものをつくり上げることはひとつの指針、メッセージになる」(ゴールドウィン開発総責任者・石塚正行氏)というのが採用の理由です。
では新ジャージーに対する選手たちの感想はどうでしょう。
「選手としてはファンの思いを、このジャージーを着て、肌で感じられる。すごく心強い。またこの歴史のある日本代表のジャージーを、新たな高みに持って行くことが僕たちの責任だと感じています」(フランカー姫野和樹選手)
「ファンの方が着ていたジャージーが素材となり、より一緒に戦えていると感じる。このジャージーを着てフランスでいい結果を残せるよう頑張りたい。(ジャージー自体は)軽くなったと思いますが、ファンの思いがつまったジャージーなので、その意味では重さも感じます」(スタンドオフ松田力也選手)
「試合に挑むだけじゃなく、誰かの思いを背負ってW杯で結果を残さないといけない。そんな気持ちが湧いてくる。このジャージーを着て試合できることは光栄なこと」(スタンドオフ李承信選手)
新ジャージーに身を包んでの初陣は、7月15日、熊本でのリポビタンDチャレンジカップ2023の対オールブラックス・フィフティーン戦。こちらはオールブラックスに次ぐメンバーで結成されたチームですが、ジャージーはフル代表と同じです。黒ずくめの集団を目にしただけでモチベーションが高まるのではないでしょうか。火の国での躍動に期待が高まります。
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