近年、監督やコーチから「遂行力」という言葉をよく聞くようになりました。元はと言えば、外国人指導者が口にした「Execution」。3月18日、東京・江戸川区陸上競技場で行われた2位クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)対3位横浜キヤノンイーグルス(横浜E)戦、勝敗を分けたのは「遂行力」でした。
試合後の会見で、横浜E沢木敬介監督とキャプテン梶村祐介選手は、ともに敗因を「遂行力」に求めました。
「遂行力は相手が上だった」と沢木監督。「最後の1フェーズ、2フェーズ、自分たちがコントロールできていればスコアになるところをミスで手放してしまった。遂行力が今日は足りなかった」とは梶村主将。スコアは5対15でした。
梶村主将が「ミスで手放してしまった」と悔いたのは、次の場面です。スコアレスの22分、インゴールまで迫りながらロックのコリー・ヒル選手がボールをこぼしてしまい、ノックオン。24分にも、再度インゴール目前まで迫りましたが、今度はノット・リリース・ザ・ボール。大事なところでミスが続出しました。降りしきる雨により、濡れたピッチとボールに選手たちは手を焼きました。しかし、それはお互い様です。
一方、S東京ベイは着実にチャンスを得点につなげました。スコアレスで前半を終えるかと思われた38分、右22メートルライン付近のラインアウトで、自慢の重量FWが力を発揮しました。ひとつの塊となり、モールでインゴールににじり寄ります。最後はフッカーのマルコム・マークス選手が飛び込みました。前半は5対0。
後半6分、横浜Eはウイング竹澤正祥選手がシンビンで10分間の退場。ここにS東京ベイがつけ込みますます。12分、ロックのルアン・ボタ選手がラインアウトで奪い取ったボールをトライ。コンバージョンキックも決まり12対0に。22分にはフォーリー選手の PGで加点し、15対0。終了間際に1本トライを奪われたものの、大勢に影響はありませんでした。
S東京ベイは2週間前の教訓を生かしました。埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)との無敗対決、前半は12対10とリードしながら、後半に逆転されてしまったのです。後半に3回あったトライチャンスを生かせなかったことが大きく響きました。
取るべきところで取っておかないと、こうなってしまうのです。「攻守の切り替え、大事な時間帯でポイントを取ること、反応の速さ。これを日々の練習で意識していくしかない」と立川理道主将。2週間前の反省がこの日は生きました。
さてリーグ戦は残り4節。S東京ベイは2位をキープし、横浜Eは4位に順位を落としました。首位の埼玉WKは依然として無敗のまま。早ければ次節にもプレーオフ進出が確定します。プレーオフには4チームが進みますが、1位と4位は5月13日、2位と3位は14日に準決勝を行います。ミッションの「遂行力」が問われる終盤戦のリーグワンです。
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