大詰めに近付いたリーグワン・ディビジョン1。プレーオフトーナメント進出の4チームが出揃いました。成績順(第14節終了時点)に埼玉パナソニックワイルドナイツ、東芝ブレイブルーパス東京、東京サントリーサンゴリアス、横浜キヤノンイーグルス。残り2節は個人タイトル争いにも注目が集まります。今回はトライ王争いで2位タイに付けているサンゴリアスのフッカー堀越康介選手にスポットを当ててみました。
第14節終了時点でのトライランキング(5位まで)は以下になります。
1位 マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ) 15
2位 ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ) 12
2位 尾﨑晟也(東京サントリーサンゴリアス) 12
2位 堀越康介(東京サントリーサンゴリアス) 12
5位 ヴィアメ・タカヤワ(横浜キヤノンイーグルス) 11
5位 髙橋汰地(トヨタヴェルブリッツ) 11
上記の5選手の中で、FW登録は堀越選手だけです。
そこで過去に遡って調べてみると、トップリーグ時代の2003-04シーズンから、リーグワンの昨シーズンまでの20シーズンでフォワード登録のトライ王はフランカーのグレン・マーシュ選手(03-04)、ロック/ナンバーエイトのルアタンギ・バツベイ選手(04-05)、フランカーのセネ・タアラ選手(05-06)、ナンバーエイトの堀江恭佑選手(14-15)、フランカーの安藤泰洋選手(15-16)と5人います。
この5人はいずれも第2列と3列の選手で、第1列(プロップ、フッカー)の選手はひとりもいません。その意味では2位タイに付けているだけで堀越選手の今シーズンのパフォーマンスは出色と言っていいでしょう。
サンゴリアスでキャプテンを務める堀越選手は桐蔭学園高、帝京大を経て、2018年にサンゴリアスに加わりました。身長175センチ、体重100キロ。上背はありませんがパワフルなプレーが持ち味です。ジャパン通算7キャップ。試合出場こそなかったものの23年W杯フランス大会ではスコッドにも入りました。
以下はサンゴリアスの田中澄憲監督の堀越選手評です。
「ホリはプレーで引っ張ってくれている。彼は自分にもチームにもタフさを求める人間」
堀越選手は、第14節(4月19日)の静岡ブルーレヴズ戦で12トライ目をあげ、2位に並びました。試合後の記者会見で、トライ王について報道陣から問われると「(狙いたい気持ちは)全くないです」と言い、「もし取れたらフォワードみんなにに焼肉を奢りたいと思います」とけむに巻きました。
一昨季0、昨季は5トライの堀越選手が一気にトライ数を増やした理由は何だったのでしょう。
「22メートルラインの中に入ったら、僕はどんどんボールをもらう選手になりたい。得点を取る力には自信がありますし、僕がボールキャリアーになってスコアを狙う気持ちでやっています。それが結果としてトライにつながっているのだと思います」
今季12トライのうち4つがラインアウトモールから、そのままインゴールに飛び込んだもの。残り8つは流れの中から決めました。
代表的なシーンをふたつ紹介しましょう。第8節(3月2日)のリコーブラックラムズ東京戦で堀越選手はハットトリックを達成しました。そのうちの2つがラインアウトモールから押し込んだもの。流れの中からのトライは前半37分。スクラムハーフの流大選手がパスを受けると、体をクルリと反転させながらタックルを巧みにかわし、インゴール右中間に飛び込みました。
そうかと思うと第12節(4月7日)のコベルコ神戸スティーラーズ戦では、まるでウイングのように大外でボールを待ちました。23対13とリードした後半24分。流選手の飛ばしパスを右サイドでキャッチすると、足元を狙ってきた相手のタックルをスルリとかわし、インゴール右隅にフィニッシュしました。
5月18日からスタートするプレーオフ。激闘を制するには、勝負どころでの決定力がモノをいいます。最前線で体を張りながら、トライに対しても優れた嗅覚を持つサンゴリアスの「2」に注目です。
当コラムの次回更新は5月9日(木)予定です。
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