クボタスピアーズ船橋・東京ベイが好調です。リーグワン・ディビジョン1で昨季トップリーグ(TL)4強の実力を証明する戦いを続けています。第7節終了時点で東京サントリーサンゴリアス、埼玉パナソニックワイルドナイツら優勝候補を抑え、トップに立っています。
S東京ベイは、昨季クラブ初のTLベスト4進出を果たしたとはいえ、10年前は2部相当のトップイーストにいたチームです。南アフリカ出身のフラン・ルディケヘッドコーチ体制6季目となる今季は、クラブスローガンの“NEXT LEVEL~不撓不屈~”を地で行く成長ぶりです。
S東京ベイが喫した黒星は第3節・コベルコ神戸スティーラーズ戦のみ。現時点で6勝(不戦勝2を含む)1敗の勝ち点30。得点数233(不戦勝試合は21対0扱い)、失点数103は、いずれもリーグ最高です。
元々強力なFW陣を生かしたセットプレーを武器としていましたが、近年はバックス陣の活躍が目立ちます。
「今季は大きなFWだけでなく、バックスでも点を取れています。スタッツ的にも良い数字を残せている。昨季、どこからでも点を取れるようになっていましたが、今季はさらにパターンが増えていると思います」(キャプテンの立川理道選手)
「今季、特これまでとの違いは、アタッキング。ボールがよくつながり、空いているスペースをしっかり突けている。それが、今季の得点アップにつながっていると思います」(青木祐樹選手)
S東京ベイの成長ぶりを示したのが、2月26日、本拠地・江戸川陸上競技場でのトヨタヴェルブリッツ戦です。トヨタVも昨季はTL4強。試合前の時点で順位はS東京ベイが2位、トヨタVが3位。S東京ベイはこのトヨタVを苦手としています。というのも、2013年度にTLに昇格以降、公式戦での勝ち星が、まだなかったからです。
試合前には暗雲が垂れ込みました。直前になってロックのヘル・ウヴェ選手がケガで欠場、開始直後にはロックのルアン・ボタ選手が負傷交代とアクシデントが続きます。
しかし、S東京ベイの選手に動揺は見られませんでした。3対3の同点で迎えた前半19分、ウイング根塚洸雅選手がビッグゲインで敵陣深くに攻め込みます。FW陣がインゴールに迫り、最後はナンバーエイトのファウルア・マキシ選手が飛び込みました。22分にはウイング金秀隆選手が右サイドを駆け抜けると、最後はスクラムハーフの谷口和洋選手がトライ。いずれもスタンドオフのバーナード・フォーリー選手がコンバージョンキックを決め、17対3とリードを広げます。
トヨタVも、このままでは終われません。前後半に1トライずつ返し、後半11分の時点で17対20と3点差。しかし、トヨタVの反撃もここまで。20分、S東京ベイが敵陣左でラインアウトを獲得すると、モールでインゴールまで押し込みます。フッカーのマルコム・マークス選手がインゴール左にトライ。マークス選手は36分にもラインアウトモールからトライをあげ、トドメを刺しました。終わってみれば41対20とダブルスコアの快勝でした。
試合後、立川選手は「全員がしっかりとコントロールして80分間戦い切った結果だと思います」と胸を張りました。
この日、ロックでフル出場を果たした青木選手は、試合の2日前に発表された23人のメンバーリストに名前がありませんでした。ところが試合当日のウォーミングアップ中、ロックのヘル選手が故障したことで急遽、スタメン出場することになったのです。
「出場が決まったのはウォーミングアップ中で、とても驚きましたが、ゲームプランは変わらず人が変わっただけ。しっかり4番(ロック)としての役割を全うすることが80分間を通してできたと思います」
そして、こう続けました。
「今回は急遽僕が出ることになりましたが、他のポジションで同じような状況になったとしてもスピアーズのラグビーを遂行できたと思います。それは週の始まりの準備で、チーム全員がプランを理解しているからです。もちろんノンメンバーになった場合、練習で対戦相手役をやりますが、練習後に自分たちで試合のプランを確認している。だからこそ、誰が出ても同じパフォーマンスができる。それがスピアーズの強みになっているんだと思います」
ピッチの中だけでなく、外でも“NEXT LEVEL”のスピアーズ。リーグワンの“台風の目”、いや、それ以上の存在です。
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