W杯より一足先に、20歳以下の世界選手権が開催されます。その名もワールドラグビーU20チャンピオンシップ。開幕は6月24日、舞台は南アフリカ。チームを率いるのはリーグワン2部・浦安D-Rocksの強化アドバイザーを務めるロブ・ペニーヘッドコーチ(HC)です。
U20チャンピオンシップとは2008年、それまでのU19・U21の世界大会がU20に統合されるかたちでスタートした大会です。日本は5年ぶり6度目の出場です。
過去5大会の成績は以下の通りです。
・08年=16チーム中15位
・09年=16チーム中15位
・15年=12チーム中10位
・16年=12チーム中12位
・18年=12チーム中12位
16年大会、18年大会に至ってはひとつも勝つことができませんでした。
今回、日本は強豪のフランス、ウェールズ、ニュージーランドと同組です。果たして“下剋上”を起こすことは可能なのでしょうか。
ニュージーランド出身のペニーHC、戦国武将の織田信長を例に挙げ「こういうスタイルのプレー、メンタルで戦っていきたい」と抱負を口にしました。
大軍を率いて尾張に侵攻した今川義元を返り討ちにした“桶狭間の戦い”をイメージしているのでしょうか。
思い出すのはエディー・ジョーンズさん(現・オーストラリア代表HC)が日本代表HCに就任した際の強気な姿勢です。
前年(2011年)のW杯ニュージーランド大会。日本は1勝もあげることができずグループリーグで姿を消しました。チームを率いたジョン・カーワンさんは2戦目のニュージーランド戦で主力を温存する策に出ました。はなから勝ち目はない、と判断したのでしょう。実際7対83で大敗しました。これによりチームの士気は、さらに低下しました。
これを「テリブル(ひどい)」と一刀両断したのがエディーさんでした。
「ワールドカップは4年に1度しかありません。毎試合勝ちたいという強い思いがなければ戦い抜けません。残念ながらカーワンHCは、大会が始まる前に“目標は2勝です”と言った。これは最初から“2試合負けますよ”と言っているようなもの。日本が弱い国ならば、なおさら“どの試合も勝つ”という強い意志と具体的な目標がなければいけません。日本代表は4年に1度のチャンスを意義あるものにすることができませんでした」
そして、こう続けました。
「日本人選手は諸外国の選手と比べると相対的に小さい。これをハンディキャップと見る向きもありますが、逆に言うと他のチームは日本のラグビーを真似できない。つまり、体が小さいことは、むしろ強みなんです。問題は体の小ささをどういかすかということです。スピードと頭脳、スキル。ここを伸ばさなければ世界に伍して戦うことはできません」
有言実行。15年W杯イングランド大会でのエディー・ジャパンの躍進は世界中に大きな衝撃をもって受け止められました。
さてペニー・ジャパンです。4月のサモア遠征で力を付け、5月には東京・秩父宮ラグビー場でニュージーランド学生代表に52対46で勝利しました。U20代表ではなかったものの、これは大きな自信になったはずです。
この試合でゲームキャプテンを務めた大町佳生選手は「(8トライを奪った)アタックの部分は良かったですが、チャンピオンシップで戦うフランスやニュージーランドはアタックもディフェンスも強い。ロースコアに持っていかなければいけないので、ディフェンス面は課題と感じます」と語りました。“勝って兜の緒を締めよ”とでも言わんばかりの冷静な話しぶりが、このチームの可能性を示しているようでした。南アフリカからの朗報に期待しましょう。
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