政府は今月14日、47都道府県に発令した緊急事態宣言を39県で解除しました。群馬県も含まれています。これを受け、群馬県太田市に本拠を置くパナソニック ワイルドナイツはトレーニングを再開しました。チームの現状と今後の見通しについて、飯島均GMに聞きました。
――トレーニングを再開されたと聞きました。
飯島均:選手たちには条件付きでグラウンドなどの使用を許可しています。健康管理、行動管理をきちんと行った上で練習を認めています。グラウンドでのランニングは最大5名まで。ウエイトトレーニングは器具間の距離を広げ、また入室する人数も決めて行っています。
――クラブハウスはどうでしょう。
飯島:これはまだです。クラブハウスを開放するとなると、選手、スタッフがいろいろなものに触れ、感染リスクが高くなります。その危険性を避けるためです。
――しばらくは個人練習が中心となりそうですね。
飯島:そうですね。コンタクトプレーが避けられないラグビーの競技特性を考えると、他のスポーツと比べても本格的な再開は遅くなると思います。
――日本が“ティア1”に入るというニュースが流れました。このニュースは今以上に日本代表を目指す選手のモチベーションアップに繋がるでしょう。
飯島:日本は昨年のW杯日本大会で、ジャパンの躍進のみならず国の素晴らしさを世界にアピールにできたと思うんです。外国人選手に聞くと、他の国・地域と比べ待遇面での魅力もあるようですね。
――待遇面とは?
飯島:まずは報酬面が良いこと。もうひとつは契約形態にあります。トップリーグの契約は嘱託か業務委託の2パターンに分かれます。まず嘱託は社員扱い。今回のようにリーグ戦が中止となった場合も、給与面は基本的にカットされません。
――業務委託の場合は?
飯島:契約の中身によりますが、今回のような事態を想定してシビアに条項を書き込んでいるチームは少ないんじゃないでしょうか。つまり選手にとって、そう不利にはならないと思われます。
――思わぬかたちで今季はシーズン終了となりましたが、来季に向けての契約は?
飯島:現在、ほとんどの選手と合意段階にあり、詰めを行っているところです。
――学生の大会が次々と中止に追い込まれる中、スカウティング活動も難しいのでは?
飯島:特Aランクの選手に対しては1、2年前から追いかけているので、継続してコミュニケーションを取っています。他の選手は現有戦力との比較になるでしょうね。
――パナソニックはオリンピック・パラリンピックの最高位スポンサーですね。
飯島:ええ。スポーツのノウハウ、見せ方において、パナソニックがオリンピック・パラリンピックの力になれると考えています。プロジェクションマッピング、音響、チケットレス化などは、私たちが得意としているところですからね。
――パナソニックはスマートシティ事業にも力を入れています。
飯島:スタジアムを核としたまちづくりですね。私たちだけではなく、ワイルドナイツの移転先となる熊谷市の富岡清市長も熱心に取り組んでくれています。今回スポーツを通じて行政の方たちとコミュニケーションを深めることができました。社内でもスポーツへの理解が浸透しているように感じられます。熊谷に移転する話が出た時も「オマエら金儲けのために来るのか。反対!」という声は一切、ありませんでした。スポーツは副作用が少ないと感じています。
――おっしゃる通りです。スポーツは副作用のない唯一の産業だと言えます。スマートシティにおいてハード面でのスタジアム、ソフト面でのチームは欠かせない存在です。同じくトップリーグに所属するトヨタ自動車は静岡県裾野市に「ウーブン・シティ」と呼ばれる実験都市建設を計画しています。サスティナビリティにスポーツは欠かせません。
飯島:そう思います。またスタジアムは災害があった場合、避難所の役割を果たすこともできる。スポーツを中心としたまちづくりを進める上で、ワイルドナイツももっとお役に立てることがあるのではないかと考えています。スタジアムは人と人とが交流する場でもあります。スポーツをきっかけにいろいろなものが繋がっていく。そのお手伝いができたらと思っています。
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