W杯フランス大会のC組では、24日(現地時間)に行われたオーストラリア戦に勝利したウェールズが1次リーグ3連勝で決勝トーナメント進出を決めました。一方、敗れたオーストラリア(ワラビーズ)は1勝2敗の勝ち点6で現在3位。1試合少ない2位(勝ち点6)フィジーには直接対決で敗れており、自力での決勝トーナメント進出の可能性が消滅しました。ヘッドコーチ(HC)のエディー・ジョーンズさんに対する風当たりが強くなっています。
フランカーのマイケル・フーパー選手、スタンドオフのクウェイド・クーパー選手らベテランを外し、平均年齢26歳と若いメンバー構成で臨んだ1次リーグは、初戦でジョージアに35対15で勝利したものの、続くフィジーには15対22で69年ぶりの黒星を喫しました。
背水の陣で迎えたウェールズ戦も精彩を欠きました。不甲斐なさを象徴するシーンが6対10の前半26分、敵陣でのラインアウト。ゲームキャプテンでフッカーのデービッド・ポレッキ選手が入れたスローはジャンパーとタイミングが合わず、簡単にボールを相手に渡してしまいました。その後、チームが反則を犯し、PGで失点という大失態。結局、6対40という大差で敗れました。
エディーさんは大敗したウェールズ戦後の記者会見で、「すべての責任は私にある」と語りましたが、自身の去就について話が及ぶと、「私のワラビーズへのコミットメントを疑うかのような質問は不快だ。これ以上、同様の質問は受け付けない」と不機嫌な表情を浮かべました。
エディーさんと日本協会との接触を報じたのは地元紙の「シドニー・モーニング・ヘラルド」。エディーさんは、これがかんに障ったようです。
エディーさんとオーストラリア協会との契約は27年までありますが、1次リーグで敗退すれば、解任は避けられないでしょう。エディーさんが若手を多数起用しているのは、もちろん地元開催の27年大会を見据えてのことでしょうが、責任逃れのようにも映ります。今は若手を育てているんだ、と。果たしてW杯は若手を育てる場所なのでしょうか。「エディーHCの神通力ももう消えた」との見方も、オーストラリア国内では急速に広がりつつあるようです。
いずれにしても、フランス大会終了後にジェイミー・ジョセフHCは退任するわけですから、日本協会は早急に後任を探さなければなりません。
スポーツ紙には有力な候補者として、エディーさんの他、クボタスピアーズ船橋・東京ベイをリーグワン優勝に導いたHCのフラン・ルディケさんの名前が上がっていました。ルディケさんは南アフリカのブルズで指揮を執り、スーパーラグビーを2度制しています。代表では15年イングランド大会でフィジー代表のFWコーチを務めました。
そこで、何人かの協会幹部に話を聞いたところ、「次期HCは代表監督としての実績も問われることになる」と語っていました。そうなると代表監督経験のないルディケさんが選出される可能性は高いとは言えないでしょう。
「ジャパンは今年5月、ティア1(ハイパフォーマンス・ユニオン)に昇格しました。ティア1にはティア1のチームにふさわしいHCが求められます」
こう話す人もいました。要するに海外にも顔がきく、ということでしょう。
また、ある幹部は「次の代表HCには高校、大学を含め、あらゆる年代の代表にも目を光らせて欲しい。トップチームだけでなく、日本ラグビー全体の底上げができるような指導者が望ましい」とも語っていました。
次期代表HCは誰か。水面下では候補者選びが続いています。
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