開幕まで残り30日を切った東京五輪。19日、男女7人制ラグビー(セブンズ)日本代表メンバー各12人が発表されました。男子は2016年リオデジャネイロ五輪で、強豪ニュージーランドを破るなど4位入賞を果たした実績があります。東京五輪の目標は、当然「メダル獲得」です。
「難しい選考になりましたが、この12人は自信を持って選出した」と男子の岩渕健輔ヘッドコーチ(HC)。「選考ポリシーは大きく分けてふたつあります」と言い、こう続けました。
「ひとつは、グラウンド内はもちろん、グラウンド外でも日本代表、オリンピックに出るアスリートとしてふさわしい選手という観点から選びました。もうひとつは東京で行われるため、さまざまなプレッシャーがかかる局面が多々あると思います。2019年W杯で男子代表は開幕戦で大きなプレッシャーを受け、簡単にプレーできない状況でした。我々も同じようなプレッシャーがかかることが予想される。そのプレッシャーを、ある意味楽しみながらプレーできる選手を選ばせていただきました」
◎東京五輪セブンズ日本代表メンバー
石田吉平(明治大学)
加納遼大(明治安田生命ホーリーズ)
セル・ジョセ(近鉄ライナーズ)
副島亀里・ララボウラティアナラ(コカ・コーラレッドスパークス)
トゥキリ・ロテ(近鉄ライナーズ)
羽野一志(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)
彦坂匡克(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
藤田慶和(パナソニックワイルドナイツ)
ヘンリー・ブラッキン(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)
ボーク・コリン雷神(リコーブラックラムズ)
松井千士(キヤノンイーグルス)
本村直樹(ホンダヒート)
上記の12人のうち、リオ五輪を経験した選手は副島亀里・ララボウラティアナラ選手(コカ・コーラレッドスパークス)、トゥキリ・ロテ(近鉄ライナーズ)、羽野一志(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)、彦坂匡克(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)の4人です。4位入賞を果たしたとはいえ、4人にはメダルを逃した悔しさがあるはずです。
リオ五輪に出場した元日本代表の福岡堅樹さんの言葉を引きます。
「オリンピックという舞台ではメダルを獲るか獲らないか。そこの大きな差を実際に帰ってきて実感させられた」
自国での五輪に5年越しの思いをぶつけるのは、リオのピッチに立った4人だけではありません。松井千士選手(キヤノンイーグルス)と藤田慶和選手(パナソニックワイルドナイツ)は、5年前はバックアップメンバーという位置付けで、試合に出場することはできませんでした。
「チームが4位になって誇りに思う。だけど選手として試合に出場することができなかったので、ラグビー人生で一番悔しかった」とは松井選手。
「すごく悔しいオリンピックでした。この悔しさはオリンピックでしか返せないと思っている」。藤田選手も同様に悔しさを滲ませましました。
松井選手は、あの福岡さんが「トップスピードなら僕よりも上」と評価する快足が持ち味です。もう1人の藤田選手は早稲田大学4年時に15人制のW杯(2015年イングランド大会)に出場するなど、当時のエディー・ジョーンズHCも、その将来性を買っていました。
この5年間で、2人はどう変わったのでしょう。
まずは松井選手。「2016年から5年という長い歳月が経ちました。バックアップメンバーとして帯同して本当に悔しい思いもしたんですけど、あの経験が僕を強くしてくれました。フィジカル面もラグビー対する姿勢もこの5年で変わった。最高の準備ができた5年間だったと思います。自分史上最高の状態で迎えられるオリンピックだと思うのですごく楽しみです。うれし涙を流せるように結果を残したい」
続いて藤田選手。「この5年間、いろいろな経験をしてきました。経験を生かし、全力で戦っていきたい。選出されたことはうれしいが、やっとスタートラインに立てたばかり。しっかりと準備をして、目標のメダル獲得を目指していきたい」
セブンズは15人制と同じサイズのグラウンドで戦うため、フィジカルの強さに加え、スピードとフィットネスが必要となります。また1日で複数試合を行うため、体力のみならずメンタル面でのタフさも求められます。元々スピードや突破力には定評のあった2人ですが、心身ともに強くなったことが今回の代表入りを後押ししました。
リオから5年が経ち、2人の立場も変わりました。松井選手はキャプテン、藤田選手もリーダー格としてチームを牽引しています。東京でメダルを取ればラグビー界は活気付き、23年にフランスで行われるW杯にも好影響を与えることは間違いありません。重いミッションを持つ12人に日本中の期待が集まります。
データが取得できませんでした
以下よりダウンロードください。
ご視聴いただくには、「J:COMパーソナルID」または「J:COM ID」にてJ:COMオンデマンドアプリにログインしていただく必要がございます。
※よりかんたんに登録・ご利用いただける「J:COMパーソナルID」でのログインをおすすめしております。