リーグワン・東京サントリーサンゴリアスの新体制が8月29日に発表され、日本代表としてW杯2大会(2007年フランス大会、15年イングランド大会)に出場した小野晃征アシスタントコーチ(AC)がヘッドコーチ(HC)に昇格しました。37歳でのHC就任は、浦安D-Rocksのグレイグ・レイドロー氏の38歳を抜いてリーグワン最年少です。
9月17日、東京・サントリー府中スポーツセンター。残暑厳しい午後にサンゴリアスは公開練習を行い、その後、小野HCが囲み取材に対応しました。キャップを被った新指揮官は「サンゴリアスのカルチャーは“ファイティングスピリッツ”“アグレッシブ・アタッキング・ラグビー”。誰が見てもアグレッシブなラグビーをするチームをつくっていきたい」と抱負を述べました。
「ボールインプレーの時にどれだけ仲間のためにタックルし、すぐに立ち上がってブレイクダウン、次のプレーに参加する。そのマインドで常にいることが“アグレッシブ・アタッキング・マインド”です。マインドがオンならば、体も自然とついてくる。“アグレッシブ・アタッキング・マインド”と“アグレッシブ・アタッキング・ボディ”の2つを合わせて、“アグレッシブ・アタッキング・ラグビー”をしたいと思っています」
日本人指揮官でこれだけ横文字を多用する人は他にいません。小野HCは1歳半から19歳までニュージーランドで暮らしたこともあり、英語が堪能です。メディアに対応する際にも自然と英単語が混じります。21年の現役引退後は約1年半、家族とともにニュージーランドで暮らし、外国人選手などの代理人を務めました。担当した選手は50~60人。
新HCの強みは、こうした独特のキャリア形成にあります。本人も「バイリンガルであること」をコーチとしての長所にあげ、こう続けました。
「外国人スタッフも増えてきている中、苦しい時にセイムページを描けるか。(日本人でも外国人でも)ダイレクトに話せることは、他のコーチと違う点です。そこを生かしていきたい」
以下は前監督でゼネラルマネジャー(GM)に復帰した田中澄憲氏の新HC評です。
「サントリーには“アグレッシブ・アタッキング・ラグビー”という独自のスタイルがある。晃征はそれを引き継ぎながら進化させることができる。彼は日本語も英語も話せる。コミュニケーション力が高く、選手に近い存在で、対話しながらチームをつくっていくことができる。そこに期待したい。また10番としてチャンピオンシップを戦ってきた経験値があり、勝つために必要なことをよく知っている」
続けて、田中GMはこんなことも。
「代理人の期間はすごく勉強なったと本人も言っていました。選手の世話をしていれば、いろいろなトラブルに直面する。それをひとつずつ解決していくことが大変だったと。また代理人として、いろいろなチームと関わることができ、様々な考え方にも触れることができたのも大きかったのではないか」
その点は小野HC自身も自覚しています。
「選手のパフォーマンスは家族や生活などから、いろいろと影響を受けます。代理人の時は一人ひとりをしっかりサポートする必要があった。自分がしっかりオーガナイズできなかったら選手も役割を果たせない。それを代理人の時に学んだので、自分が選手たちをコントロールし、スタッフもうまく動かしていきたいと思っています」
目指すは当然、リーグワン初優勝です。
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