
日本ラグビー協会は7月27日、8月22日(現地時間)に開幕する女子ラグビーW杯イングランド大会に臨む日本代表(サクラフィフティーン)32人を発表しました。目標に掲げるベスト8進出に向け、世界ランキング11位(7月28日時点)のサクラフィフティーンは1次リーグで同5位のアイルランド代表、同3位のニュージーランド代表、同13位のスペイン代表と対戦します。
3年前のニュージーランド大会に続き、2度目のW杯の指揮を執るレスリー・マッケンジーヘッドコーチ(HC)は27日のメンバー発表後に行われた記者会見で、3年間の歩みをこう振り返りました。
「前回(W杯ニュージーランド大会)はコロナ禍で、大会までの準備ができなかったが、今回は強化試合が組まれ、成長につながった。またスタッフ陣が充実したと実感しています」
マッケンジーHCが名指ししたのが、昨年就任したフォワードコーチのマーク・ベイクウェルさんです。
「彼によって、フォワード陣に必要なセットピース(セットプレー)が確固たるものになってきた」
ベイクウェルさんをマッケンジーHCに紹介したのは男子代表のエディー・ジョーンズHCでした。ベイクウェルさんはトンガ代表やプレミアシップのバース(イングランド)、スーパーラグビーのレベルズ(オーストラリア)、サントリーサンゴリアスでも指導経験があります。
どんなコーチなのでしょう。
「細かいところを詰め、練習で何回も繰り返す。スクラムでは“ヒザを地面から5センチ”と言われています。正しい姿勢を突き詰め、スクラム練習の映像を見ながら、ミーティングで話し合っています」(フッカー谷口琴美選手)
「マークさんが来るまで、私自身、ラインアウトでスロワーの方に焦点を当てていなかった。私たちスロワーに本数投げ込むことを課し、“うまくいくまでやり続けなさい”と言われました。フッカー陣は1日100本近く投げていると思います」(フッカー公家明日香選手)
「細かい技術の落とし込みをしてくれるコーチで、ジャパンらしいセットピースを築き上げるのに欠かせません」(ロック佐藤優奈選手)
「マークコーチが来てから、3年前の自分たちと比べると、セットプレーからクオリティーボール(良いパスや安定したボールコントロール)ができているパーセンテージが違う。“強みはセットプレーです”と言えるようになりました」(フランカー齊藤聖奈選手)
スクラム、ラインアウトは今やサクラフィフティーンの大きな武器です。それは19日と26日に行われたW杯イングランド大会で同組(プールC)となるスペインに2連勝(32対19、30対19)したテストマッチでも、遺憾なく発揮されました。
福岡・ミクニワールドスタジアム北九州での第1戦は、5トライすべてをフォワード(フッカーの谷口選手が3、プロップ小牧日菜多選手が2)が決めました。いずれもセットプレー(ラインアウト3、スクラム2)が起点となりました。
東京・秩父宮ラグビー場での第2戦は5トライ中2トライがフォワード(フランカー長田いろは選手、フッカー小鍛治歩選手)。セットプレー起点のトライは2つでしたが、開始早々からラインアウトモールで相手にプレッシャーをかけ、相手からイエローカード2枚(6分、11分)を誘発しました。
サクラフィフティーンのW杯での過去最高位は11位。前回のイングランド大会は、1次リーグ3連敗で決勝トーナメントに進めませんでした。
史上初のベスト8進出に向け、カギを握るのは初戦のアイルランド戦(24日、フランクリンズ・ガーデンズ)です。セットプレーを武器に、格上の相手に挑みます。
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