昨季リーグワン4強のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)、埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)、横浜キヤノンイーグルス(横浜E)、東京サントリーサンゴリアス(東京SG)が、スーパーラグビー・パシフィック(SRパシフィック)のチーフス、ブルーズ(いずれもニュージーランド)に挑む「クロスボーダーラグビー」が2月3、4、10日に行われ、日本勢は埼玉WKがブルーズに勝利したものの、1勝3敗に終わりました。
4試合のスコアは次の通りです。
2月3日 @東京 ●東京SG 7対43 ブルーズ〇
2月4日 @埼玉 〇埼玉WK 38対14 チーフス●
2月10日 @神奈川 ●横浜E 22対57 ブルーズ〇
2月10日 @東京 ●S東京ベイ 30対35 チーフス〇
2月4日のブルーズ戦後、4チームの中で唯一勝利した埼玉WKのロビー・ディーンズヘッドコーチ(HC)は、今回の国際親善試合にこんな疑問を投げかけました。
<「シーズンの真ん中に、このような試合をするのは簡単ではない。(順位を争う)競争もないし、ポイント(勝ち点)もない。失うものの方が多い。(実際にロックの)ハアンガナが故障した」>(『スポニチアネックス』2024年2月4日配信)
<「本来はプレーオフの後にやるべき。(昨秋に)W杯を終えた選手が短い期間しか休みがない中で出場した。もっと選手を大切に扱ってもらいたい。扱わない場合は、日本のラグビーがどうなってしまうかは分かるだろう」>(同前)
現場を預かる側からすれば、タイトルもかかってない親善試合に、なぜ故障のリスクを選手に負わせてまで出場しなければならないのか、ということでしょう。ディーンズHCの主張は一理どころか“二理”も“三理”もあるものでした。
クロスボーダーマッチの意義はわかるとしても、わざわざリーグワンのシーズン中にやらなくても……。そうした声も聞かれました。
以上の問題点を踏まえた上で、リーグワンの東海林一専務理事はこう語りました。
「課題は2月開催の難しさ。これをどう直していくかが一番大事なところ。今回の開催にあたっては、日本ラグビーについて非常に大切ということで、各チームに理解していただいた。一方でシーズン途中に強度の高いゲームをやることの難しさも当然ある」
2月開催はSRパシフィック側の意向だったと言います。
開催するのなら、本来はディーンズHCが言うように「プレーオフ後」がいいでしょう。となると5月下旬~6月上旬です。しかし、その場合、日本代表の活動と重なるという難題が浮上してきます。
今季のスケジュールを例にとると、選手たちは5月下旬までリーグ戦(プレーオフを含む)を戦い、短いオフを経て、代表活動がスタートします。6月22日からイングランド代表、マオリ・オールブラックス(2試合)、ジョージア代表、イタリア代表と毎週試合が組まれています。
再び東海林専務理事。
「日本代表とリーグワンは基本的には共存共栄でやっていく。今回のような強度の高いゲームは、リーグワンのレベルアップになると同時に代表にもプラスとなる。今後、代表との協議を含め、いろいろオプションを考えて、やるべき方向を見出していきたい」
なにぶん相手があることですから、交渉が容易に進むとは思えません。ここはベストよりもベター、いい落とし所が見つかればいいのですが……。
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