
21日、神奈川・相模原ギオンスタジアムで行われたリーグワン・ディビジョン1の“神奈川ダービー”は、三菱重工相模原ダイナボアーズが横浜キヤノンイーグルスを17対10で下しました。
この試合、ダイナボアーズの粘り強いディフェンスが光りました。風上の前半は12対0でリードしたものの、風下に回った後半はイーグルスの反撃に遭いました。2トライを許し、17対10で迎えたラスト10分は、14人対15人という不利な状況下での戦いを余儀なくされました。
ピンチは後半26分です。ダイナボアーズのプロップ、ピーター・ショルツ選手が、頭部への危険なプレーによりイエローカード(のちにレッドカードにアップグレード)が出されました。
32分、イーグルスのウイング石田吉平選手にトライエリア(インゴール)まで数十センチと迫られましたが、ロックのジャクソン・ヘモポ選手がスティール(ジャッカル)に成功。その6分後には、イーグルスによる10フェーズ以上の猛攻撃に耐え、ウイングのマット・ヴァエガ選手がボールをもぎ取りました。
結局、17対10でノーサイド。今季初白星を手にしたダイナボアーズのグレン・ディレーニーヘッドコーチ(HC)は「本日のゲームは本当にタフ。最後の5分はちょっとギリギリ。我々のDNAが表れた」とチャレンジ中という日本語で試合を総括しました。
1週間前の浦安D-Rocks戦では14人対15人の数的不利な状況下、終了間際に逆転負け(24対27)を喫しました。しかし、この日は違いました。
「泥臭く、我慢した結果。自分たちのDNAをグラウンドで証明できた」とは今季のキャプテン、フランカーの吉田杏選手。
「自分たちが積み上げてきたトレーニングは、言葉では言い表せられない。ハードワークと言葉にすると簡単ですが、反復してきたトレーニングのおかげでここまでできた。相手よりも早く立ち上がり、身体を張る。シンプルですが、すごく難しい。そこのハートの部分で、全員が行動に移せたのだと思います」
38分に自陣右サイドでターンオーバーしたシーンに、チームの献身性が見て取れました。中央でタックルにいったスタンドオフの三宅駿選手はすぐに立ち上がると、ダッシュで右サイドをカバー。イーグルスのウイング、ヴィリアメ・タカヤワ選手に絡み、ヴァエガ選手のボール奪取を助けました。日々のハードワークで培ったスタミナと集中力は最後まで切れませんでした。
ニュージーランドからの“逆輸入”で今季から加わった三宅選手は、ダイナボアーズの粘り強さについて、こう語りました。
「キャプテンからもコーチからも、粘り強さがチームのDNAであると聞いています。ハーフタイムに、リーダー陣からは『自分たちのDNAを理解し、粘っていこう』と言われていた。そういう声は日々の練習からも出ています」
昨季までキャプテンを務めていた岩村選手は、終了間際のシーンを「あれがダイナボアーズのディフェンス。全員がしっかりハードワークする。走って、どんな時でも相手を止め続ける。それを皆さんにお見せできたのが良かった」と振り返りました。
ダイナボアーズの今季の目標はプレーオフ進出です。そのためにはレギュラーシーズンで6位以内に入らなければなりません。来年はウマ年ですが、イノシシ軍団の突進に期待しましょう。
2025年の当コラムはこれが最後の更新となります。新年は1月8日(木)スタートです。読者の皆さま、ご愛読ありがとうございました。来年も引き続き宜しくお願いいたします。
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