岡本信彦さんが出演する、
今期アニメの見どころ
――『青の祓魔師 島根啓明結社篇』は7年ぶりの新シリーズですよね。お話が来たとき、率直にどんなことを感じましたか?
岡本:お話が来た瞬間、まず「また『青エク』の燐ができるんだ!」と胸が熱くなりましたし、スタッフの方々の作品への愛や、注いでいるエネルギーも感じました。声優陣は13年前の1作目から変わらないメンバー。当時新人だった声優もベテランになっていて、今となっては「よくこのメンバー集められたな!」という方ばかりで、すごく現場は楽しいです。
自分が成長しているかどうかはともかく、この7年間でも多くの先輩方の演技を聞いてきて耳だけは肥えたと思っているんですが、みんな、演技が本当にすごい! どのキャラも魅力的で、観ていただいたらまた『青エク』のキャラが好きになると思います。
――岡本さんが演じる奥村燐については、どんな魅力があるキャラだと思いますか?
©加藤和恵/集英社・「青の祓魔師」製作委員会
岡本:燐が自分でも言っているとおり、そんなに頭が良いタイプではないと思うんですよ。ただ、それでも自分なりに考えて、自分の力をどうすれば人のために使えるのかをずっと悩んでいる。そして全部を一人で背負おうとする双子の弟・雪男に対しては、「兄ちゃんを、もっと頼れ!」と。そういう優しい信念を持っていて、それが燐の魅力になっていると思います。
今回、映像がすごく丁寧に作られていて、今の加藤和恵先生の絵柄に近づけている感じなんですよね。それもすごく嬉しくて「演技で応えたい!」と思って、初回は結構気合いが入りました。ただ気合いが入りすぎたのか、音響監督さんからは「ちょっと成長しすぎてる。燐ってそんなに頭良かったっけ?」と言われたりもしました(笑)。
とはいえ、やっぱり前作から成長している部分もあるとは思うので、そこはすごく表現が難しかったですね。
――改めて、『青の祓魔師 島根啓明結社篇』の見どころも教えてください。
岡本:今回の話は、主要キャラクターの一人である神木出雲の故郷と神木家が舞台になっています。新たに出雲の母である玉雲と妹の月雲が登場して、出雲との関係性があらわになっていくなかで、出雲の心情が大きく動いていきます。
サスペンスや推理もののように構築されたストーリーと、少年漫画ならではのバトルとアクション、そして戦いの中で深まる仲間同士の絆。「これぞ『青エク』!」と言いたくなるような要素が盛りだくさんで、原作ファンもアニメファンも楽しめる内容になっているので、ぜひ見てほしいですね!
――作品の見どころと演じるキャラクターの魅力を教えてください。
©木嶋隆太・イマジカインフォス・如月命/SQUARE ENIX・「最強タンクの迷宮攻略」製作委員会
岡本:元々、僕らの世代では、物語の主役になるのはいつも勇者や魔法使いでした。ところが、MMORPGというジャンルが出てきて、敵の攻撃を一手に引き受ける縁の下の力持ちとして「タンク」という役割が生まれた。その、普段スポットが当たりづらい、ちょっと地味な役割にフィーチャーしているのが、この作品の面白さに繋がっていると思います。しかも、この作品ではチート級に強いんですよ。かわいくて強い女の子ばかりに囲まれてパーティー組むわけで、文字通りの最強状態(笑)。
いわゆるRPGといったファンタジックな世界観ですが、その中で僕が演じるのは着物姿でどこか飄々とした存在感を放つ、侍のマリウス。最初はダンジョンの最終階層に潜むおどろおどろしい敵役として強キャラのように登場するんですが、一度仲間になってしまえばマスコットキャラクターのような愛くるしさがあり、作品の空気をパッと明るくしてくれるような存在です。物語の展開と一緒に、マリウスのおちゃめな一面にもぜひ注目してもらえたら嬉しいですね。
――作品の見どころと演じるキャラクターの魅力を教えてください。
© 戸塚慶文/集英社・アンデッドアンラック製作委員会
岡本:主人公二人の「UNDEAD(不死)」と「UNLUCK(不運)」をはじめ、「UN〜(不〜)」という能力を持つ登場人物たちが、壮絶なバトルを繰り広げる『アンデッドアンラック』。設定やキャラクターの能力が相当緻密に練られていて、派手なバトルアクションと奥深いストーリーが同時に味わえるのが、この作品の魅力だと思います。
僕が演じるトップは、元気で明るく天真爛漫なキャラクター。伸び代を感じさせる若さや、少年らしさを意識しながら楽しくアフレコに挑戦しています。トップが活躍するのはまだもう少し先の話になりそうですが、登場人物が多い作品なので少しでも印象に残るキャラクターになれたら嬉しいですね。
ちなみに、もし作中に出てくる能力で一つ自分がなれるとしたら「UNDEAD(不死)」ですね。死にたくないので(笑)。
取材・文/郡司 しう 撮影/清水 伸彦