『真・侍伝 YAIBA』での初共演で憧れが強くなった大先輩
――「憧れの声優」はいらっしゃいますか?
市ノ瀬:最近、『真・侍伝 YAIBA』(以下、『YAIBA』)という作品に出演して、その現場で初めて主人公・鉄 刃(くろがね やいば)役の大先輩、高山みなみさんと共演させていただいたんです。
みなみさん、お芝居の素晴らしさはもちろんなんですが、現場での立ち居振る舞いも本当に素敵で、だれも置いてけぼりにしない気遣いといいますか、初めて現場に来た人も暖かく迎え入れてくださってお芝居をしやすい環境を作ってくれるんです。
それが、たとえ1話だけの出演でも関係なく、一体感が出るように声をかけてくださるんです。
私も初めは大先輩がたくさんいる現場だしすごく緊張していたのですが、みなみさんや周りの先輩たちが本当に暖かい方たちばかりなのでこの現場が大好きになりました。
――そのひと言で、安心感が出ますよね。自分の収録も抱えている中で、なかなかできることじゃない。
市ノ瀬:本当に、そう思います。
あと、たまにお料理の話をみなみさんと一緒にしていて、ちょうど収録していたのが年末年始ということもあっておせち料理の黒豆の話になったんです。
みなみさんが黒豆も手作りされてるとおっしゃったので、峰さやか役の石見舞菜香ちゃんと一緒に「食べてみたいです」とポロっと出た言葉を覚えてくださってて、そしたら、次の現場では本当に自家製の黒豆を持ってきてくださって……。
しかもそれが、ふっくらとしてほんのり甘くて絶妙に美味しいお味……もう舞菜香ちゃんと一緒に「なんて優しい方なんだ」と感動しっぱなしでした(笑)。
――現場では全体を引っ張りながら、個別に黒豆まで持ってきてくれる……。
市ノ瀬:『YAIBA』の現場ってみんな楽しそうにしているし、関わっている人たちの作品への愛情もすごいんですよ。
「それってなんでだろう」と思ったときに、やっぱり高山みなみさんの、気遣いとか空気の作り方、座長としての立ち居振る舞いがあるからこそなんだなって、私は現場に入ってて改めて思いました。
自分にとっては、すごくすごくすごく高い目標かもしれないんですけど、いずれは少しでもみなみさんに近づけたらと思います。
取材・文/郡司 しう 撮影/小川 伸晃
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