2024年11月18日(月)更新
浅田真央、桜の見えるMAORINK
「世界最大級」の“夢の城“が完成
プロフィギュアスケーターの浅田真央さんが監修した「MAO RINK~TACHIKAWA TACHIHI~」が、東京都立川市で11月11日にオープンしました。営業開始に先がけ、8日にはオープニングセレモニーが同リンクで開催されました。そこで彼女は、このリンクに込めた思いを語りました。
手書きのプレゼン
「いつか、自分のリンクを持ちたい」。幼少の頃から夢を持ち続けてきた浅田さん。「そこで世界一のスケーターを育てたい」との思いが、より強くなっていきました。
このプロジェクトは、浅田さんが立飛ホールディングス(HD、共同事業者)の村山正道社長に話を持ちかけてスタートしました。村山社長は、懐かしそうに3年半前を振り返ります。
「真央さんから、“会ってほしい”とオファーが来ましたが、最初は断りました。大体、おっしゃりたいことは想像できたので……。それでも何度も“会ってほしい”とオファーをもらい、21年3月にお会いしました。A3用紙に2枚、鉛筆でびっしり何か書いてありましたよ。十数分、真央さんからのプレゼンテーションを受けました。正式なゴーサインを出す前から、“立川市にとって素晴らしい案件だな”と思っていました」
ところで立飛HDとは、どういう会社なのでしょう。前身は1924年に創業した立飛飛行機株式会社です。この11月1日に100周年を迎えました。現在、同HDは立川市で不動産賃貸・開発を中心に幅広く事業を展開しています。MAORINKは「タチヒゴルフ練習場」の駐車場跡地に建設されました。オープン当日は、長蛇の列ができ、たくさんの人々がスケートを楽しみました。
2階建ての施設の外観は金、銀、銅に彩られています。浅田さんによると「クラシカルなヨーロッパの建物をイメージした」とのことです。「世界中のスケートリンクで滑ってきた」彼女の感性が盛り込まれています。
こだわりはサブリンク
村山社長は浅田さんに「人に説明するとき、“MAORINKは日本最大級のリンク“という表現で間違いない?」と質したそうです。浅田さんは、きっぱりと答えました。
「違います。日本じゃなくて、世界最大級です」
スケートリンクは2面、設置されています。競技やアイスショーで主に使用するメインリンクは国際規格の30m×60m。観客席は常設で1000席。座り心地のいい椅子は観戦に適しています。主に一般滑走者が使用するサブリンクの面積は24m×40m。サブとしては国内最大級です。黒を基調にしたメインに対し、こちらはホワイトで統一されていました。また、サブリンクの南西方向には24枚の大きな窓が設けられ、そこからの日差しが温もりを感じさせます。窓からは桜並木も見えます。
「MAORINKの一番のこだわりは?」との質問に、浅田さんは「サブリンク」と答え、続けました。
「競技者時代、私は朝から夜までずーっと窓のない室内練習場で過ごしてきました。一日中、暗くなるまで外の景色が見られない生活でした。サブリンクに大きな窓をつけることで、春には桜が見られる。子どもたちには四季を感じながらスケートを滑ってほしかったんです」
規模だけではなく、ホスピタリティの面でも「最大級」ということでしょうか。浅田さんの“夢の城“へようこそ!
二宮清純