2016/12/02
韓国のNo.1音楽サイト「MelOn」主催の授賞式「2016 MelOn MUSIC AWARDS」が、11月19日に開催された。韓国最大級ともいわれるこの式には、EXOや防弾少年団、Red VelvetにTWICEなど、2016年の韓国音楽界を賑わせた、今一番勢いのあるアーティストたちが参加。アルバム賞やベストソング賞、そして栄えあるアーティスト賞に輝いたのは? ファンの熱い想いと、アーティストたちの歌声が交差する、大盛り上がりの授賞式の様子をレポートする。
K-POP賞レースの先陣を切って、ソウルの高尺スカイドームで開催された「2016 MelOn MUSIC AWARDS」、通称MMA。約2万人収容のドームは大勢の観客で埋め尽くされ、すでに期待感や高揚感に満ちていた。まずステージに立ったのは、トップバッターを務めるBewhY。今年、韓国HIPHOP界に新風を吹き込んだ23歳のラッパーは、自身のヒット曲「Dejavu」と「Day Day」を歌い上げ、式典のオープニングを飾った。
2016 Melon Music Awards
今年で8回目を迎えるMMAの2016年のテーマは“魔法”。まさに魔法のようなエキセントリックなステージセットから出てきたのは、プレゼンターを務める俳優のキム・ボムと、女優のイ・セヨンだった。2人は、今年の音楽チャートで好成績を収め、さらにファンからの支持を受けた上位10チームを表彰するTOP10を発表。派生ユニットやソロ活動で大きな話題となったEXO、そして、韓国のみならずアジア各国で大人気の7人組グループ・防弾少年団の名前が呼ばれると、大きな歓声が湧き上がった。
壇上でEXOのリーダー・SUHOは「こんなに多くのファンの皆さんとご一緒できるだけでも光栄ですが、さらにTOP10に選ばれて、本当に感謝です」と喜びの声を伝え、防弾少年団のJINは「多くの方々が僕たちの音楽を聞いてくださったので、この賞をいただけたのだと思います」とコメント。2015年に完成した高尺スカイドームで初めてライブを行ったのがEXO。そして、今年、防弾少年団もこの場所でライブを成功させるという、不思議な繋がりを感じさせる受賞となった。
2016 Melon Music Awards
TOP10は、式典の随所で発表され、EXOや防弾少年団の他にも、Red VelvetやMAMAMOO、楽童ミュージシャン、GFRIEND、ZICO(Block B)、テヨン(少女時代)にTWICE、そしてオープニングアクトを務めたBewhYが受賞し、それぞれが喜びを爆発させた。
続いて、今年、最も注目を集めた新人アーティストに送られる新人賞は、4人組ガールズグループ・BLACKPINKが受賞。デビュー前の練習動画の再生回数が約2週間で400万回を超えるなど、その圧倒的な人気が話題となった。透明なトロフィーを大事そうに抱えたメインボーカルのRoseは、これまで関わったスタッフやファン、そして両親に感謝しつつ「この賞をきっかけに、この先もっと成長した姿をお見せしたいと思います」と意気込んだ。
2016 Melon Music Awards
アコースティックデュオ・10cmが一足早い春を思わせる楽曲「春が好き?」を披露した後は、昨年デビューしたばかり、平均年齢19歳のボーイズグループ・SEVENTEENが登場。フォーマルな白と黒の衣装に身を包んだ13人は、キューブ型のセットの上で、キレキレのダンスを交えながら、「VERY NICE」を熱唱。この後、MBCミュージックスター賞を受賞する彼らのポテンシャルを存分に発揮したステージだった。
2016 Melon Music Awards
バラード賞、オリジナルサウンドトラック(OST)賞の発表の後は、ミュージックビデオ賞が発表され、3rdミニアルバム「Russian Roulette」のMVでメンバーそれぞれの個性を光らせたRed Velvetがその栄冠を手にした。ステージはそのまま実力派ガールズグループ・MAMAMOOのパフォーマンスに移行。ネオン街を模したステージで、「You're the best」を歌いながら、ダンスバトル風のパフォーマンスを魅せる4人。センターステージでは、その圧倒的な歌唱力で「Décalcomanie」を熱唱し、MMA初参加とは思えない圧巻のステージで観客を魅了するのだった。
2016 Melon Music Awards
続いてのパフォーマンスは、先ほど新人賞を獲得したBLACKPINK。雪の舞い散る幻想的なセットから、白のミニと黒のブーツでキメた4人が登場。口笛のような軽やかなデビュー曲「WHISTLE」を披露した後は、セットが一転。炎が揺らめく、アマゾンを思わせるセットの中、4人も赤を基調とした衣装にチェンジ。「PLAYING WITH FIRE」のタイトル通り、燃え盛る情熱的なステージを見せつけた。
トロット賞の発表の後は、メッセンジャーアプリ利用者が選んだ人気アーティストに授与されるカカオホットスター賞が発表され、TOP10に続いて、EXOが賞に輝いた。ここではCHANYEOLがコメント。「いつも感謝の気持ちを持って活動できるという点で、EXO-L(ファンクラブ)の皆さんに感謝です!」と述べると、客席からは大きな歓声が巻き起こった。
2016 Melon Music Awards
バラード賞を獲得したチョン・ウンジのしっとりとした「HopeFuily Sky」の後は、Red Velvetのパフォーマンス。謎の男たちがステージ上に置いたカバンの中から、まるで“魔法”のように登場した彼女たち。本日、メンバーのイェリを欠く4人体制だったものの、ピンクのキュートな衣装を身にまとい、「Russian Roulette」を歌いきった。
2016 Melon Music Awards
先ほどパフォーマンスを見せた10cmがフォーク・ブルース賞を受賞。インディーズ賞は、20代女性の圧倒的な支持を受け、MelOnチャートでも1位を獲得した女性デュオ・頬赤い思春期が受賞した。続いてステージでは、恋愛ゲームのモニターをバックに、スクールガール風の衣装に身を包んだ11人組ガールズグループ・I.O.Iが「Very Very Very」を披露し、センターステージではアップテンポで元気いっぱいの「Dreamgirls」を歌い上げた。
2016 Melon Music Awards
テレビで活動をせずに、音楽だけで勝負したアーティストに送られるホットトレンド賞には、7人組ボーイズグループ・Block Bのリーダーであり、プロデューサーとしての才能も併せ持つ、ZICOが受賞。受賞コメントでは、「僕の人気で僕の音楽が維持されるより、僕の音楽の人気で僕が維持されるようになりたい」と、その信念を語った。この後、ZICOはラップ・HIPHOP賞も獲得し、TOP10と合わせ、3部門に渡っての受賞となった。
ZICOの表彰が終わると、ステージにはサーカスのようなセットが登場し、その中から、カラフルなミリタリーファッションに身を包んだボーイズグループ・iKONの7人が飛び出してきた。激しいラップの「HOLUP!」で盛り上げた後は、「SINOSIJAK」で観客を煽りまくり、最後はデビューアルバム収録の「DUMB&DUMBER」でしっかりと締めた。
2016 Melon Music Awards
そして、MMAは2部へと突入。2部のオープニングを飾るのは、今年リリースした「CHEER UP」での“シャシャシャ”や、「TT」のTTダンスで一大ムーブメントを巻き起こした、ガールズグループ・TWICE。ゾンビ集団の中から、白と黒のストライプ柄の衣装で登場した9人による「CHEER UP」がスタート。さっそく、“シャシャシャ”と手を左右に振ると、会場からも“シャシャシャ”のレスポンス。息の合った9人は、そのまま「TT」に。黒いマントを羽織って踊るTTダンスに会場は大盛り上がり。彼女たちの勢いを体現したかのようなステージが終了した。
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幅広い候補者がいる女性ダンス部門には、6人組ガールズグループ・GFRIENDが選出。1月にリリースした「Rough(時をかけて)」は、タイトルそのままの疾走感あふれるナンバーで、そのダンスをSNSに投稿するのがブームとなった。続いての男性ダンス部門では、3度EXOが受賞。ダークなネイビーのスーツに衣装チェンジした9人が壇上へと進むと、再び大きな歓声が鳴り響いた。受賞についてKAIはファンと振付担当の2人の先生に感謝し、「もっと素敵なパフォーマンスをお見せできるよう、常に頑張りたい」とやる気を見せた。
韓国HIPHOP界のカリスマであり、本日3部門を受賞したZICOは、バンドスタイルでの「I Am You, You Are Me」からのダンサーを引き連れての「Boys And Girls」。最後は他のアーティストたちも巻き込んだ、アップテンポの「Say Yes Or No」で、勢いのあるステージを完成。
2016 Melon Music Awards
TOP10の発表を挟んで、女性ダンス部門に輝いたGFRIENDのパフォーマンスがスタート。メロディアスな「NAVILLERA」を物語の中に登場するような大きなドレスを着たユジュが歌いあげながら、光りに包まれていく様は圧巻。6人が揃うと、ひと際大きな歓声が上がり、切なくも激しいヒット曲「Rough(時をかけて)」を熱唱した。
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続いての賞は、韓国のみならず、アジアのファンが選定したアジアのスターに送られるアジアスター賞が発表され、先ほど大盛り上がりのステージを見せたiKONが受賞。デビュー前からサバイバル番組で人気だった彼ら。リーダーのB.Iは「今年は海外ツアーを通じて、より成長した姿で戻ってこられるよう頑張りました」と振り返り、「来年は新しい音楽とパフォーマンスで、さらなる舞台を見せたいです」と豊富を語った。
そして、パフォーマンスでは、満を持して、7人組グループ・防弾少年団が登場。2013年のデビュー以来、様々な歌謡賞を総なめにしてきた彼ら。韓国歌手史上初となるUKアルバムチャートにランクインしたり、YouTubeでのMV再生回数がボーイズグループ最短時間での1000万回を突破したりと、今年も話題の中心にいたのはこの7人だった。ステージでは、7人が薄いベールの中からゆっくりと姿を現し、「Blood Sweat & Tears」のスタイリッシュでセクシーなダンスを見せる。「FIRE」では、一転、灼熱に包まれたダイナミックなステージに。花火が炸裂し、炎の輪をバックに歌い上げる彼らに負けじと、会場の熱気が7人を包み込んだ。
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多くのネットユーザーから支持を受けたアーティストに送られるネチズン賞は、BEASTやTWICE、I.O.Iなどの候補の中から、EXOが選出。本日4度目の登壇に会場からは割れんばかりの歓声が巻き起こった。
続いてはZICOのMCによって、伝説的な男性アイドルグループ・Sechs Kiesに特別賞が授与された。当時、H.O.T.と共に第一世代アイドルと呼ばれ、韓国アイドル界をけん引してきた彼らだったが、2000年、人気絶頂の中で突然解散。しかし、今年、16年ぶりに再結成を果たした。多くのファンや、他の後輩アーティストが見守る中、ステージに立つ5人。リーダーのウン・ジウォンは、懐かしそうに「こうやって授賞式に立つのも16年以上ぶりだった気がします。このように特別な賞を頂き、この先、第一世代アイドルとして、後輩をがっかりさせない先輩を目指します」とその想いを語った。そのまま’99年の大ヒット曲「Com' Back」、ファン待望の新曲であり今年様々なチャートで1位を獲得した「THREE WORDS」、そして、甘いメロディーの「Couple」を歌いあげ、その存在感を示した。
2016 Melon Music Awards
いよいよ式典は終盤戦。アルバム賞、ベストソング賞、アーティスト賞という、MMAを象徴する3つの大賞が残るのみとなった。プレゼンターとして、H.O.T.のトニー・アンと、今年大ヒットドラマ「太陽の末裔」の女優・キム・ジウォンが登場し、アルバム賞の発表。ジウォンが防弾少年団の名前を読み上げると、大歓声の中、本人たちも驚きの表情を見せた。2枚目のフルアルバム「花様年華 Young Forever」の評価を受けての受賞ということもあり、ステージ上では感極まって涙を流すメンバーも。リーダーのRAP MONSTER(ラップモンスター)も、目に涙を湛えながら、「ARMY(ファンクラブ)!ありがとう!」と絶叫。そして「僕たちを作ってくれた、助けてくれた、生んでくれた、いつも支持してくれた多くの方々に本当に感謝しています!」と語った後、メンバー全員で抱き合い、その喜びを分かち合った。
2016 Melon Music Awards
続いてのベストソング賞は、先ほどパフォーマンスを終えたTWICEが受賞。「CHEER UP」は今年の5月から8月までのMelOn月間チャート10位以内を維持し続けた大ヒット曲で、何よりも“シャシャシャ”は世代を超えたブームを巻き起こした。信じられないといった表情でステージへ向かう9人。メインボーカルでリーダーのジヒョは、涙声で受賞コメント。「私たちTWICEはデビューしてから1年経ったばかりです。1年前はこのような大きな舞台にいられるとは想像もできませんでした」と大感激し、「この賞に相応しいTWICEになります」と笑顔を見せた。
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MMAの最後の賞となるアーティスト賞は、4年連続での受賞となるEXOに決定。この日だけで5つの賞を獲得したEXO。目をうるませながら、リーダーのSUHOが「今思うことはたった一つ、EXO-Lのファンの皆さんと共に10年でも20年でもずっと舞台に立ちたいです」と語ると、CHENが「この賞に恩返しできるものは良い音楽だと思います。近いうちに良い音楽を届けることで恩返しします」と意欲を見せた。そして最後は、BAEKHYUNとCHANYEOLが「この賞の重さを実感しながら、これからの活動を頑張ります」「ありがとうございます」と締めくくった。
2016 Melon Music Awards
デビューアルバムから3枚連続で100万枚を記録するトリプルミリオンを達成。6月にリリースした3rdアルバム「EX'ACT」のWタイトル曲「Monster」「Lucky One」はアメリカのMVランキングにもランクイン。さらに今年は北米やアジア全域のツアーを成功させるなど、彼らの勢いは留まるところを知らない。そんな銀河系軍団・EXOがMMAのフィナーレを彩る。この日最大の歓声を受けながら、3人ずつ登場し、「Growl」「中毒」「CALL ME BABY」のメドレーからのソロパフォーマンス。そしてセンターステージに移動し、大ヒット曲「Monster」を披露。緩急のあるダンス、力強い歌声、その全てがハイレベルで圧倒的。会場との一体感を感じながら、彼らはさらなる高みへと登っていく。EXOマークのペンライトが揺れる中、今年の勢いを象徴するかのようなパワフルでエネルギッシュなEXOのステージは幕を閉じた。今年1年の韓国音楽界の総括ともいえるMMAはこれにて終了。大勢のスターたちが観客に手を振りながら、会場を後にした。