2017/04/01
日本の皆さんこんにちは。ユ・スンホです。こうしてご挨拶できて嬉しいです。ちょうど昨日…というか明け方まで撮影していたのでつい先程最後の撮影を終えてきました(笑)(※注:インタビューはクランクアップ翌日に実施)韓国で多くの方々にご覧いただき、たくさん愛していただいたので、日本でも放送されるなんて、とても嬉しいし、役者としてまたとない光栄です。日本の視聴者の方々にもぜひ『君主』を楽しんでご覧いただき、愛していただければ…という欲が生まれますね(笑)
僕は理由も分からないまま仮面を被って生きてきた世子イ・ソンを演じました。真の王とは何なのか、真の君主とは何なのか、自分の利益のためではなく、国民を愛する王になるために旅立ち、その後は辺首会(ピョンスフェ)という影の組織に立ち向かいます。そしてカウン(キム・ソヒョン扮)との切ないラブストーリーもあります。
世子は理由も分からず、仮面を被って17年間を生きていきます。とてももどかしく、絶望を感じていたかもしれません。このような世子の感情を表現しなければならなかったんですが、重要なのは世子の気持ちを表現できる最も良い道具も仮面だったということです。なぜかというと、この仮面は、目と口を除く全てが覆われていて、色も濃いグレーで鉄のように見えます。その仮面を被っているときは神秘的に見えるかもしれませんが、世子の気持ちを一番よく表しているとも思います。じれったくて、恐ろしくもあり、そんな感情を表現するために仮面という道具が役作りにとても役立ったと思います。
意図したわけではないですが、台本をいただいたとき、本当の王になりたい、国民を愛する王になりたいという世子の姿は今の韓国の情勢だと思いました。今の韓国の国民たちが望む国を、僕もその国の国民の一人として表現したいと思いました。そして台本の構成がとても面白かったんです。世子の冒険というか、王になるまでにたくさんのエピソードがあり、その過程で切ない恋愛もあり、痛快なアクションもあったので、それが出演の決め手になったのではないかと思います。
共演したのは今回が初めてです。ドラマ『会いたい』で、劇中ソヒョンさんが子役として出演していたので、挨拶をしたことはありますが、その際は一緒のシーンはなかったんです。2012年だったから、もう5年前のことですね。彼女にはとてもタメ口で話せなくて(笑)「ソヒョンさんこんにちは」と挨拶しました(笑)僕より6歳下なんですが、オーラがすごくて、とてもきれいで礼儀正しいです。彼女は同じ役者として俳優と息を合わせることに経験豊富だったので、撮影中本当にたくさん助けられました。ソヒョンさんのおかげで世子という人物がもっとうまく表現できたと思います。
撮影前は気まずかったですが(笑)僕の意見をよく聞いてくれる方なんです。僕も相手の意見を聞こうとする方ですが、撮影中に彼女に意見を聞くと、「私は大丈夫です。お兄さんの考えるようにやってください」と言ってくれます。それがときには申し訳なくもあり、年上の僕が彼女に合わせるべきなのに、彼女が僕に合わせてくれるから、ありがたくもあり…実際彼女に「ありがとう」ってたくさん言いましたが、この場をお借りして改めて感謝の気持ちを伝えたいです(笑)
当時はソヒョンさんも、僕もとても疲れた状態で撮りましたね。そしてその日は雨が降っていて少し寒かったので、ソヒョンさんもとても苦労していました。そのシーンは単なる愛情表現のシーンではなく、世子がカウンの気持ちを知ってお互いの感情を確認する重要なシーンでした。数少ないラブシーンでもあります。劇中のストーリーの説明もよくできていたし、美しいシーンになっていて嬉しかったです。
記憶に残るエピソードですか…実はきついことしかなくて(笑)たくさんありますが7ヵ月間撮影しました。真冬に撮影を始め、いつの間にか暑くなってきました。僕をはじめ、多くの俳優たちが最後まで冬に作られた、冬の衣装を着て一生懸命撮影しました。
実は僕は怖がり屋なので、崖っぷちでワイヤーロープに吊られて飛び降りるのも怖かったです。代役を使って撮影することもできましたが、視聴者の皆さんに是非お見せしたい気持ちが大きかったです。俳優が現場で苦労しただけ、良い結果が出ると信じています。自分にできるシーンは自分で演じてお見せするのが、視聴者の皆さんに対する礼儀だと思います。
アクションシーンの撮影中にたくさん怪我しました。初めて落馬したり、あちこち擦り傷を負ったりしましたね。僕は怖がり屋なので一度怪我をしたらさらに怖くなりましたが(笑)でも、お互いを信じて演じました。
わ~意図していなかったですが、そう考えていただけたら嬉しいです(笑)『君主』がヒットすれば、もちろん嬉しいです。でも、『君主』は完成度の高いドラマであってほしいですね。一時的な人気ではなく、視聴者の方々が本作を見て僕と共に悲しみ、喜んで、幸せな感情を感じていただけたらもっと嬉しいです。
『君主』は明快な回答にならないドラマだと思います。一国を治める王には色々な苦難があり、特に朝鮮時代ならより多くの犠牲が必要だったと思います。周りからは「とてもじれったい」という声も聞きました。でもそうならざるを得ないのは、世子の目標は王なんです。皆の心を得て、認めてもらう過程がじれったくてつらいですが、この全てが世子イ・ソンの夢を叶えるための土台だと思います。この後世子が王になれるかどうかは分かりませんが(笑)こういう部分も受け止めてご覧いただければなと思います。
(笑)そうですね、最近は慣れました。僕は相手を知らないのに、相手は僕の過去を全部知っている感じですかね(笑)ありがたくもあり、少し怖く感じたこともありますし負担を感じたこともあります。でも、今は慣れてきたように思います。僕の小さいころの思い出が全部記録されていると思えば、これほど美しいことはないと思います。僕の人生の記録が残っているのは良いことですし、今は感謝しています。
もちろんそれはありますね。例えば帽子やマスクをつけずに外に出かける、こういう平凡なことです。気持ち次第だとは思いますが、僕自身が人に気づかれ、近づいてこられるのが怖くて、顔を覆って出かけるわけです。気づかれたら挨拶して、一緒に写真を撮り、サインをしてあげればいいことなのに…ときにはじれったいと思うときもありますが、人が経験できないことを僕は経験しているので、それがとても大切で嬉しいです。
実は学生時代はしんどかったですね。僕をクラスメートではなく、芸能人として接してくるのがつらかったです。僕のことが好きで、僕の性格がいいからではなく、ただ芸能人だから近づいてくることもあり、僕から壁を作ってしまうことも多かったです。でも今は大丈夫ですよ。つらいときに家族が支えになってくれたと思います。
単にキャラクターがカッコいいとか、気に入ったとかではなくて、まず作品自体が面白いか、多くの人から愛されるような作品なのかを見て選びます。これが僕の作品を選ぶ基準です。
間接経験ができることです。『君主』で…ネタバレになりそうですが話してもいいかな(笑)僕は愛する人と別れ、死んで蘇りますが、こういうことって日常ではとても経験できないことじゃないですか。愛する人と別れたときは心が痛み、毒によって死んで蘇ったときは、生きていることに対するありがたさ、こういう感情は日常では感じることはないと思いますから、こういう色んなことを間接的に体験するというのが演技の魅力だと思います。
そうなんですよ!ミン兄さんと一緒に『リメンバー』の撮影をしていたときは本当に怖かったです(笑)ミン兄さんは本当に優しいんですが、劇中のナム・ギュマンを演じていた時は監督のOKサインが出た後も怒っていて、怖かったです(笑)でも、打ち上げパーティーでは劇中のキャラから完全に抜け出していて近所のお兄さんみたいでした(笑)
まだ趣味を見つけられなくて…今まで仕事ばかりしてきました。学生時代は学業と仕事を並行していたし、軍服務の2年、除隊後もすぐ仕事を始めたので、趣味を見つける時間がなかったと思います。ストレスの解消法は…うーん特にないですね。たまに友達に会うときは外に出かけますが、基本的には休みの日も家にいます。。
悪役にチャレンジしてみたいです。もちろん善人役にもとても魅力を感じますよ。ただ現実で悪を経験できるのはごく一部の人じゃないですか。僕は日常生活で経験できなかったことを演技を通じてたくさん経験していますが、悪の経験はないので、とても気になります。その悪を演技を通じて感じてみたいので、いつか悪役を演じてみたいです。
さっき撮影が終わったばかりなので、まず少し休ませていただきます(笑)まだ次回作は決まっていません。
ドラマ『君主』が日本で放送されるのは僕にとってとても嬉しいことです。韓国で多くの方々から身に余るほど愛されていますが、日本のファンの皆さん、視聴者の皆さんにもっと愛していただき、ご覧いただければ、もっと嬉しいです。そして機会があれば、『君主』を通じて日本を訪ね、ファンの皆さんに会いたいと思います。『君主』をぜひ愛してください。ありがとうございました!