あなたの「みたい」が見つかるコラム

開幕ダッシュに成功したのは?鳥谷敬がここまでの2024年プロ野球を語る

「チェッカーズ:1992 FINAL TOUR “ACOUSTIC COLLECTION”」

3月29日に開幕したプロ野球。ストーブリーグでの大幅な戦力変化を経て、長きにわたる死闘が始まった。うまく開幕ダッシュを決めたチームから、なかなか思うようなスタートが切れなかったチームまで、それぞれの明暗が分かれる中、解説者の鳥谷敬に開幕からこれまでの(※4月12日時点)各チームの印象と、好不調のポイントについて語ってもらった。

<セ・リーグ>

【中日ドラゴンズ】
元々、ピッチャーはいいチーム。細川成也選手や岡林勇希選手が出てきたとはいえ、なかなか点数が取れない中で、中田翔選手が入ったことで得点力が上がりましたね。想像よりも中田選手の存在の大きさを感じています。「さすがに一人入ったくらいで、チームの雰囲気は変わらないだろう」と思っていたのですが、ここまでは中田選手が入ったことによる他の選手への好影響により、点数が入りやすくなっているので、チームとして調子がいいですよね。ただ、まだチームの世代交代が途中ということもあるので、これを1年間続けていくというのはちょっと難しいような気がします。最終的にクライマックス圏内に入ってきたらいいかな…と見ています。

【読売ジャイアンツ】
ここ数年、坂本勇人選手がけがをしたり、4番の岡本和真選手のポジションがなかなか決まらないなど、問題がありましたが、門脇誠選手がショートに入ったことで坂本選手と岡本選手のポジションと打順を固定できたというのは非常に大きいと思います。オフにピッチャーの補強をかなり力を入れてやったのと、キャッチャー出身である阿部慎之助監督がキャッチャーとしての目線で、ピッチャーに対していろいろ感じる部分が継投にもかなり生きてくると思うので、最終的には阪神と巨人が上位争いをするんじゃないかなと思っています。

【横浜DeNAベイスターズ】
昨年までも打線は良かったのですが、1番バッターが固定できていなかった。そういう意味で、度会隆輝選手が入ったことで、攻撃面において、より打線が強力になったと思います。ただ、今永昇太投手とトレバー・バウアー投手という2人が抜けたというのが非常に痛いですよね。この2人は必ずイニング数を投げてくれていたので、新しいピッチャーが出てきたとしても、ピッチャー陣のイニング数の実質の負担は大きくなっているので、中継ぎを含めた後ろがどんどん疲れてくるだろうなと。そう考えると、昨年と比べると後半失速してしまうんじゃないかなと思います。

【広島東洋カープ】
昨年は、中継ぎ投手に新たに活躍した選手が何人も出てきてくれたのが非常に大きかったと思うのですが、2年連続で同じような活躍をするというのは非常に難しいですし、昨年の疲労も考えると上位に食い込むのはなかなか難しいんじゃないでしょうか。先発ピッチャーも大瀬良大地投手が帰ってきたり、アドゥワ誠投手が戻ったりと、いろいろやってはいるんですけど、野手陣も含めて世代交代の途中という感じですね。小園海斗選手といった若い選手が一気に飛躍する年になれば上位に入ってくるということもあるかもしれないですが、長打を打てるバッターが非常に少ないというところで、投打両方に不安を抱えているという印象です。

【阪神タイガース】
阪神の強みは投手力。先発、中継ぎ含めていいピッチャーが数多くいるので、6月の交流戦終わりくらいに、周りのチームがバテてくるところでピッチャーの入れ替えをたくさんできるという強みがあり、7月、8月からの後半戦はこの投手力が生きてきて上がってくると見ています。枚数がそろっているため余裕を持った投手起用ができるなど、とても充実度が高いので、年間を通して見ると野手陣、投手陣含めて実力としては上位ですね。

【東京ヤクルトスワローズ】
メンバー的には昨年よりも揃っていると思うのですが、けが人が非常に多いというところに尽きます。嘉弥真新也投手や宮川哲投手など投手力も補強はしているんですけど、昨年フルで回った田口麗斗投手やエースの小川泰弘投手、奥川恭伸投手など、戦力として考えていた選手がいないんですよね。これらの選手たちが揃ってくると、そこそこやるとは思うのですが、どれくらいで戻ってこられるのかというのは未知数なので…。ただ、外国人選手2人がある程度計算できるのと、まだ状態が上がっていない村上宗隆選手が本来のバッティングを取り戻せば得点力は非常にあるので、早い段階で揃えば、まだまだ上の方にくると思います。

「吉田拓郎 Live at WANGANSTUDIO 2022-AL“ah-面白かった”LiveSession-」

<パ・リーグ>

【福岡ソフトバンクホークス】
トップクラスの戦力に、山川穂高選手が入ったことによってホームランで流れを変えられるようになったところと、柳田悠岐選手と近藤健介選手頼みだったところから打線のバリエーションがかなり増えたので、シーズンに入って調子の良し悪しがあったとしても、3人による軸ができたというのは、非常に大きいですよね。私はソフトバンクが優勝するんじゃないかと思うくらいの戦力だと思います。

【埼玉西武ライオンズ】
外国人頼みのところがあるので、外国人が活躍してくれれば点数が取れるし、そうじゃなければ得点力というところでなかなか厳しいのかなと。でも、先発はいいピッチャーがある程度いますので、ゲームを作れるピッチャーがかなり多いというところでは、ピッチャー陣がしっかり抑えて外国人が活躍すれば上にきますし、投手陣がちょっとこけてしまうと下にいってしまうという感じですね。昨年は山川選手が抜けたことで順位もだいぶ下にいきましたし、山川選手が抜けた得点力の穴を外国人選手が埋められるのか…というところに懸かってくるんじゃないかなと思います。

【千葉ロッテマリーンズ】
佐々木朗希投手、種市篤暉投手など先発ピッチャーは安定しているのですが、抑えなどの後ろの方の安定感が揺らいできたかなという印象です。益田直也投手など後ろも安定したピッチャーが多かったところから、少し年齢も重ねてきているし、野手に関しても藤原恭大選手や安田尚憲選手、山口航輝選手といった井口資仁監督が3、4年我慢して使った選手たちがちょっと伸び悩んでいて、誰が試合に出るかでその日の勝敗が変わったりと、ちょっと未知数なところが多いので、そこらへんが上手く回れば上にいくでしょうし、主力のピッチャーにけが人が出てしまうと一気に下にいく可能性もあるチームだなと思います。

【北海道日本ハムファイターズ】
個人的にはクライマックスシリーズに出るところまでいくんじゃないかと予想しています。外国人選手やオリックスから山崎福也投手(※崎は立つ崎)が来たりと、積極的な補強をしているところと、新庄剛志監督が育ててきた万波中正選手や松本剛選手がある程度中心になってきているところ、そして、3年かけて新庄監督のやりたい野球がどういうものかというのを選手たちも分かってきたと思うので、今年あたりある程度、形になって上位のチームを脅かすようになってほしいなと。ちょっと願望もあるのですが、そうなってくるとプロ野球が結構面白く盛り上がっていくんじゃないかなと思っています。ピッチャーもバッターも世代交代が少しずつ進んでいるので、そこそこやるんじゃないでしょうか。

【オリックス・バファローズ】
自分がロッテでやっている時からそうなのですが、春先はあまり強くないんです。毎年、「あれ?オリックス、今年はそうでもないんじゃないかな」って言っていると、夏ぐらいから一気に勝ち始めるんですよ。当然、主力のピッチャーが2人抜けているので後ろの負担が大きくなるのですが、なぜか毎年新しいピッチャーが活躍している。去年まで全く投げていないピッチャーが急に活躍するということが平気で起こるチームなんです。あとは、連覇しているという経験があるというのも大きいと思います。連覇している経験って他のチームにはほぼ無いことなので、そこらへんの選手の起用も含めたベンチワークというのは侮れないですね。昨年の日本シリーズもそうですが、1戦目で負けて流れが完全に阪神というところで、メンバーをガラッと変えて2戦目で大勝するということができるチームなので、例年通り、新しいピッチャーが出てきてローテーションを投げるというようなことが起これば、上位の方にくるんじゃないでしょうか。

【東北楽天ゴールデンイーグルス】
かなり厳しいと思っています。ピッチャーと野手が両方世代交代を迎えてしまっていること、そして抑えが抜けたことが大きいです。抑えとセットアッパーの2人がいると試合を7イニングで考えられるのですが、抑えがいないことでかなりバタつくんですよ。抑えを決めるのはかなり時間もかかるし、例えば則本昂大投手が抑えにはまったとしても、それまで則本投手が投げていた先発のイニングを誰がこなすのか、というようないろんな問題が出てきてしまうんです。あとは、野手が世代交代している時にピッチャーが頑張るとか、ピッチャーが世代交代している時にバッターが頑張るとか、そういうバランスが取れればある程度チームとしては成り立つのですが、両方一気に世代交代が来てしまっているので、本当に流れが良くてうまくいくというようなことが起きない限り、上にいくのは難しいのではないでしょうか。

<優勝戦線について>
セ・リーグはジャイアンツとタイガース、パ・リーグはホークスとバファローズの2チームずつで争って、他はこの2チームに対してどう戦うかで、それぞれの順位が変わっていくのかなというふうに思っています。

セ・リーグに関しては、昨年のパ・リーグのように混戦になるんじゃないかなと。カープは昨年2位の実力がありますし、ベイスターズは得点力が非常にあって後ろに4枚いますし、中日は得点力が上がったことでタイガースと戦った時の勝率も変わってくると思いますし、スワローズはけが人次第というところで、チームとして力を付けているところが増えてきたので。

逆に、パ・リーグは楽天との勝率を考えた時に、楽天にしっかり勝っているチームが上位にくるという形になるのかなと。そうすると、終わってみたら2位と3位にかなり差ができている…という可能性が大きいと思いますね。

文:原田健

放送情報

2024年シーズン プロ野球公式戦 各球団主催試合の放送チャンネル

<セ・リーグ>

阪神タイガース スカイA GAORA SPORTS
広島東洋カープ J SPORTS 1
横浜DeNAベイスターズ TBSチャンネル2
読売ジャイアンツ 日テレジータス
東京ヤクルトスワローズ フジテレビONE
中日ドラゴンズ J SPORTS 2

<パ・リーグ>

オリックス・バファローズ J SPORTS 3
千葉ロッテマリーンズ 日テレNEWS24
福岡ソフトバンクホークス スポーツライブ+
東北楽天ゴールデンイーグルス J SPORTS 2
埼玉西武ライオンズ フジテレビTWO
北海道日本ハムファイターズ GAORA SPORTS

J:COMはセ・パ12球団 全試合生中継!

放送スケジュールはこちらから

J:COM TVシン・スタンダードで、
厳選した専門チャンネルと
日本初上陸の
Paramount +が加わった動画配信が楽しめる!

もう見逃さない!リモート録画予約 タブレット、スマホ、パソコンからカンタン予約で録りまくり!

対象:J:COM LINK / Smart J:COM Box / Smart TV Box

※ご利用にはFun! J:COMへのログインが必要となります
※チューナーはご加入のサービスにより異なります。ブルーレイHDRの一部機種でもご利用頂けます。
ハードディスク内蔵型でない機器をご利用の場合、別途USB-HDDのご購入が必要となります。

PageTop