あなたの「見たい」が見つかるコラム

豊富な経験に培われた確かな目と、各球団のキャンプ現場や球場に足を運んで収集した情報。「プロ野球ニュース」のレジェンド&中堅解説者に、今シーズンの行方を語り合った。
※対談は2月下旬に行われ、本記事はその時点での予想となります。

【セ・リーグ】谷沢氏は今年も阪神優勝と予想！野村氏は巨人！

――昨年は阪神が38年ぶりの日本一に輝きました。今シーズンは、どのような展開が予想されますか。まずはセ・リーグから教えてください。

谷沢：僕は今年も阪神優勝と予想しました。ピッチャーも打線も充実している。昨年MVPの村上頌樹も状態がいいようだし、攻撃面も近本光司、中野拓夢の1、2番コンビに、4番の大山悠輔の出塁率は他を圧倒している。連覇の可能性は十分にあると思います。

野村：僕は巨人ですね。一番の理由が菅野智之です。昨年は4勝しかできませんでしたが、今年は非常に状態が良さそう。ブルペン陣もトレードで高橋礼、現役ドラフトで馬場皐輔など補強している。昨年まではヒットやホームランは出るけど、得点にならなかった点（ヒットやホームランを大量得点につなげることが出来なかったので）を阿部慎之助新監督が改善できれば、阪神にも十分対抗できると思います。

――クライマックスシリーズ圏内（3位以上）の予想はどうですか。

谷沢：ヤクルトの雰囲気がいいですね。嘉弥真新也や宮川哲など、力のある投手を補強してブルペンが充実してきた。打線は、昨年はWBCの影響もあって不振だった村上宗隆や山田哲人が、今年は本来の力を出せるのではないかと思います。

野村：僕は中日に期待しています。立浪和義監督に片岡篤史ヘッドコーチ、僕の場合、それしかないでしょう（笑）

――（野村さんと立浪監督は）PL学園の同級生ですね。

野村：真面目な話、中田翔というスラッガーが（今季から）一枚加わるだけで、大きく変わると思います。4番打者として80打点から100打点ぐらい挙げられれば、前後を打つ細川成也や石川昂弥のような若い選手にも良い影響を与えるでしょう。投手陣は、先発が10敗カルテットなんて昨季は言われましたが、防御率を考えると、点を取れれば勝敗が逆になる可能性もありますよ。

――昨年2、3位の広島とDeNAはBクラスの予想ですか？

谷沢：広島は新井貴浩監督が選手の意思を尊重し過ぎるというか、リーグ3連覇時のような張り詰めた空気がないように見えました。ドラフト1位の常廣羽也斗もまだまだ身体が細くて、すぐに一軍というのは難しいように見えました。

野村：DeNAは昨年、優勝を予想していたんですけど結果的に3位。悔し過ぎて今年は最下位にしました（笑）。実際のところ、やはり今永昇太とバウアーの先発投手二枚が抜けたのは大きい。攻撃力はあると思いますが、点は取るけど、それ以上に取られては意味がないですからね。

【パ・リーグ】谷沢氏はソフトバンクの優勝を予想！野村氏はオリックス！ともに西武に期待！

――ではパ・リーグにいきましょう。

谷沢：僕はソフトバンクの優勝と予想しています。四軍まであるチーム構成の中で、選手をよく知っている小久保裕紀監督が満を持して監督に就任した。山川穂高も吹っ切れた様子で、今年はかなりやるのではないかと思います。

野村：僕はオリックスです。山本由伸と山﨑福也が抜けましたが、2人の貯金16を差し引いても、2位のロッテと並ぶぐらいの勝ち数だった。そこに山下舜平大や東晃平など上積みが望める投手がいるので、他のチームが昨年までの差を逆転するのはかなり難しいと思います。

――その他の球団はどうでしょうか。

野村：僕は西武に期待しています。松井稼頭央監督の2年目で、投手力がいい。

谷沢：僕も西武に期待。隅田知一郎と武内夏暉、左の先発二枚がいいですね。特に武内は、今年のルーキーの中でも群を抜いた存在だと思います。

野村：打線は新外国人のアギラーが4番に定着できるか。あとはベッケン（渡部健人）がどれだけやれるかも注目しています。

――Bクラス（3位以下）に予想されても、注目しているチームはありますか。

谷沢：Aクラスに近いのは、ロッテでしょうね。吉井理人監督の粘っこい野球に、佐々木朗希も注目です。

野村：日本ハムはちょっと面白いと思いますよ。山﨑福也が入って、4番の万波中正も成長している。新庄剛志監督も3年目で、ダークホースになる可能性も十分ありそうです。

――楽天は松井裕樹のメジャー移籍で、今季から則本昂大が抑えになりました。

野村：則本はやると思いますが、その分、先発での勝ち数が減ることになる。先発陣は田中将大や岸孝之など、全体的に年齢層が上がっているところがネックになるかもしれません。

谷沢：いろいろ言ったけど、セもパも今年はどこが優勝してもおかしくないし、面白いシーズンになりそうだね。