写真：森田直樹/アフロスポーツ
長辺50ｍのプールで、種目ごとに決められた泳法で泳ぎ、タイムを競う。1896年第1回アテネ大会で行われて以来、全大会で実施されている競技。個人種目は自由形と、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、そして4泳法を連続して泳ぐ個人メドレーに分けられる。自由形はその名の通り自由に泳法を選べるが、全選手が最速の泳法であるクロールを選択するため、クロールと同義と言っていい。前回の東京大会から男女の実施種目が完全に同じになり、今大会は東京大会と同じ計35種目でメダルが争われる。
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東京大会で日本が獲得したメダルは、金2、銀1の計3個。21世紀に入ってからの5大会でもっとも少ない数字だった。今大会は巻き返しが期待される。
メダル候補に挙げられているのは、男子200mバタフライの本多灯。東京大会で銀メダルを獲得し、今年2月に行われた世界選手権では初の金メダルに輝いた。このときの優勝記録は各国の選考レースが終わった時点でも今季世界ランク1位のままで、初の五輪金メダルは射程圏内だ。また、同じ男子200ｍバタフライで今季世界3位の記録をマークしている寺門弦輝、3大会連続出場となる瀬戸大也（200ｍ個人メドレー）、200ｍ平泳ぎの渡辺一平と花車優らにも期待が集まる。
東京大会女子個人メドレー2冠（200、400ｍ）の大橋悠依は、400ｍの代表を逃したが200mの代表に。ここ数年で世界のレベルが上がり、厳しい戦いになりそうだが、連続メダルを目指して力泳する。女子100ｍバタフライの池江璃花子は３大会連続出場。前回の東京大会は白血病によるブランクがありリレー種目のみの出場だったため、個人種目の出場は2016年リオ大会以来となる。代表選考会では復帰後最速となる57秒03をマーク。調子を上げ、自己ベスト56秒08に近づくことができれば表彰台も見えてくる。
外国勢男子の注目は、200ｍバタフライで本多、寺門のライバルになるクリストフ・ミラーク（ハンガリー）とレオン・マルシャン（フランス）。ミラークは世界記録保持者。マルシャンは200ｍ平泳ぎと個人メドレー２種目にも出場予定で、4冠の可能性を持つ開催国フランスの期待の星だ。
女子の注目は、これまで自由形とリレー種目で７個の金メダルを獲得しているケイティ・レデッキー（アメリカ）。今大会で１種目でも優勝すれば競泳女子最多金メダル記録に並び、３種目に優勝すれば、全競技を通してもっとも多くの金メダルを獲得した女子選手となる。
