日本は開催国だった前回の東京大会で金9、銀2、胴1個と、金メダル数は史上最多、総数も最多タイの12個を獲得し、競技発祥国の強さを見せつけた。しかし今大会の開催国フランスは、日本の4倍以上の競技人口を誇る柔道大国。注目度もトップ選手のレベルも高い。そんな“敵地”で、どれだけの成績を残せるか。
日本勢でひと際期待を集めているのが、阿部一二三(男子66㎏級)、阿部詩(女子52㎏級)兄妹。東京大会で史上初となる兄妹同日金メダルを成し遂げた2人は、その後の国際大会でともに負け知らずのままパリに乗り込む。兄妹での連覇という新たな快挙を達成できるか。永瀬貴規(男子81㎏級)、ウルフアロン(男子100㎏級)、素根輝(女子78kg超級)にも連覇の期待がかかる。ほか、2021年の世界選手権で初優勝し、昨年まで3連覇している角田夏実(女子48㎏級)、五輪連覇の故・斉藤仁さんを父に持つ斉藤立(男子100kg超級)にも注目。永山竜樹(男子60㎏級)、橋本壮市(男子73kg級)、村尾三四郎(男子90㎏級)、舟久保遥香(女子57kg級)、高市未来(女子63㎏級)、新添左季(女子70kg級)、髙山莉加(女子78kg級)もメダル圏内の実力を持つ。開会式の翌日から行われる柔道の成績は、日本選手団全体のムードに関わるだけに、メダルラッシュを期待したい。
日本勢以外の注目はやはり地元フランス勢。東京大会女子52㎏級銀メダルのアマンディーヌ・ブシャール、女子63㎏級で連覇を狙うクラリス・アグベニュー、5大会連続メダル及び3個目の個人金メダルを狙う男子100㎏超級のテディ・リネールらは日本勢の強力なライバルになる。また、フランスは東京大会の混合団体で日本を破り、初代チャンピオンに輝いた。今大会も決勝は日仏対決になる可能性が高い。雪辱を期す競技発祥国と、地元の声援に後押しされて連覇を狙う開催国との対決は、大いに盛り上がりそうだ。