<トラック>
大きく分けてトラック、フィールド、ロードの各種目があり、トラックは競技場内1周400mの走路を使って行われる。トラック種目で常に大きな話題を集める、”人類最速決定戦”男子100mは、ノア・ライルズ(アメリカ)が金メダル候補。昨年の世界陸上で100m、200m、400mリレーの3冠を達成し、今大会でも3冠に挑むことを公言している。また2022、2023年の世界陸上で連続入賞した、サニブラウン・アブデル・ハキームが、日本勢として92年ぶりとなる決勝進出を果たせるかも注目される。サニブラウン、坂井隆一郎らがチームを組む男子400m(4×100m)リレーも期待の種目。過去2回銀メダルの日本は、決勝でバトンがつながらなかった東京大会の雪辱を期す。2023年世界陸上の入賞者である男子110mハードルの泉谷駿介、3000m障害の三浦龍司も上位入賞、さらに日本勢初の表彰台が期待される。女子は田中希実が東京大会8位の1500mと、2023年世界陸上8位の5000mで入賞を目指す。
<フィールド>
トラックの内側や外側で行われるフィールド種目は、「跳躍」と「投てき」に大別される。日本の期待は、投てきの女子やり投げ。2023年世界陸上を制した北口榛花が金メダル候補として大舞台に臨む。跳躍種目は東京大会男子棒高跳び金メダルのアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が注目を集めそう。2020年2月から今年4月まで世界記録を8回更新し、2022、2023年世界陸上を連覇。五輪連覇だけでなく、世界新記録達成の瞬間を目撃できるかも。また、トラック、フィールド両種目を2日間にわたって行う男子の10種競技と女子の7種競技もある。「キング・オブ・アスリート」「クイーン・オブ・アスリート」の称号を賭けた戦いは見ものだ。
<ロード>
スタジアム外で行われるロード種目は、パリの名所をめぐる男女マラソンと、トロカデロ広場が主な舞台になる男女20km競歩と男女混合競歩リレーが行われる。新種目の混合競歩は男女各1人がチームを組み、合計42.195kmで争うもので、男子11.45km、女子10km、男子10km、女子10.745kmの順番と距離で歩く。日本からは川野将虎、高橋和生、岡田久美子、柳井綾音が出場する。
ロード種目の日本勢で期待されているのは、男子競歩の池田向希。東京大会銀メダリストで2022年世界陸上も2位。2024年日本選手権の優勝タイムは世界歴代3位の好記録と、実績、記録とも申し分ない。マラソン男子は小山直城、赤崎暁、大迫傑、女子は鈴木優花、一山麻緒、前田穂南が出場。男女ともアフリカ勢が強いが、粘り強く食らいついてほしいところ。