——奥さま的には、はしもさんの韓国好きっていうのは
どんなふうに受け止められているんですか? 一緒に楽しんだり?
はしも:
奥さんはあんまり韓国ドラマは観ないようにしていて、どうもハマり症らしいので、それが怖くて避けているそうなんですよね。
でも、最近Netflixで配信されたパク・ソジュンの最新作『京城クリーチャー』は一緒に観て、面白いって言ってました。あと、彼女は辛い物がめちゃくちゃ好きなので、どちらかといえば韓国料理のほうが好きなんだと思います。
——じゃあ別々の分野で、
それぞれ韓国が好きな感じですね。
はしも:
僕は逆に、辛い物が食べられなくて、キムチがあると水で洗ってから食べるんです。それくらい辛いのが苦手なので、辛くない韓国料理なら一緒に食べることはありますね。サムギョプサルとか。
はしも:
息子も、なんとなく僕が韓国の仕事をしているのは知っているようで、たまに韓国語を教えたりしています。
——はしもさん、韓国語は喋れるんですか?
はしも:
いや、独学なのでそんなに喋れるわけじゃないですけど、日常会話くらいなら……。昔から韓国が好きだったので、以前は新大久保の人気チェーン居酒屋の「魚民」で6年くらいアルバイトをしたんですよね
——韓国料理店ではなく、「魚民」で?
はしも:
韓国料理店だと、日本人のお客さんが来ちゃうだろうから。で、新大久保のチェーンのだったら、わざわざ日本人が行かないじゃないですか。それに、スタッフ同士のコミュニケーションというより、色々な韓国の方とコミュニケーションを取ってみたかったので、あえて「魚民」にしました。そこでお店に来る韓国の方とコミュニケーションを取っていたら、なんとなく喋れるようになった感じです。
——結構、追い込んでますね。
ちなみに今回ご紹介いただく『星から来たあなた』は宇宙人との恋愛を描いたラブコメですが、はしもさんの周りに「この人、宇宙人だな」っていう人いますか?
はしも:
古家正亨(ふるや まさゆき)さんというMCの方なんですが、古家さんはもう韓国好きが相当広く知れ渡ってて、すべてのK-POPアイドルのMCをやられてるんじゃないかというぐらい、韓国エンタメに精通している方なんですよね。で、奥さまも韓国のミュージシャンです。
——なるほど。
どんなところが宇宙人っぽいんですか?
はしも:
いや、これは噂なんですけどね。
かつて大阪、東京都、名古屋の3か所で同時に夜7時からK-POPのアイドルのライブがある日があったらしいんですけど、古家さんはその全部のライブにいたことがあるらしいんです。
——え! どういうこと!?
はしも:
被ってる時間があったにもかかわらず、すべての現場で目撃されたらしくて。
僕、それで本人にも「宇宙人なんじゃないですか?」って聞いちゃいました。
——それを伝えて、
どんなリアクションだったんですか?
はしも:
ただ笑ってるだけでした。ちゃんとは否定しない。つまりそういうことです。
バストアップの写真を撮りますと伝えると、おもむろに
「怒るとアゴがしゃくれてしまうチョイ役」をやり始めたはしもさん
© HB ENTERTAINMENT
STORY:
1609年、朝鮮の地に舞い降りた宇宙人のト・ミンジュン(キム・スヒョン)。自分の正体と超能力を隠し、ソウルで404年もの長い歳月を生きてきたが、地球での暮らしも残すところ3カ月。大学で講師として教鞭をとりながら、静かに故郷の星に帰る準備を進めていた。ところが、マンションの隣室にアジアを代表する女優チョン・ソンイ(チョン・ジヒョン)が引っ越してきたせいで、ミンジュンの生活は一変!ワガママなソンイに振り回されて困惑するが、家族写真を偶然目にしたミンジュンは幼い日のソンイが404年前に出会った少女イファと瓜二つであることに驚く。そんなある日、ソンイが思わぬスキャンダルに巻き込まれ、トップスターの座から一気に転落。何者かに命まで狙われるはめになってしまう。地球人のトラブルには干渉しないと心に決めていたミンジュンだが、ソンイを放ってはおけず、やがて彼女に惹かれている自分に気づく。しかし、地球を離れる日が刻一刻と迫ってきて…。
© HB ENTERTAINMENT
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はしも:
最初は、宇宙人と人間の恋という設定がかなり飛んでるというか、僕らの生活とかけ離れていて、1話でついていけなくなる人が多いんじゃないかなと思っていたんですよ。2013年放送なので、いまと比べると時代的にCGの技術もUFOの表現とかまだ荒い個所があって。
でも、観てみると「これは無理してでも観たほうがいい!」と思えるくらい面白くて、絶対おすすめしたい作品でした。最初はトンデモだと思っていた設定も、ストーリーと演出のうまさに惹き込まれるうちに、どんどん腑に落ちてきて違和感がなくなるし、最後の結末がすごくいい。ネタバレになるので多くは言えませんが、「あ、こういうことが恋愛の秘訣なんだ」と思える気づきがある。
それに主役二人が醸し出す雰囲気がすごく良くて、当時から、きっと8〜9割くらいの方が観終わった後にいわゆる“ロス”の状態になったんじゃないか、っていうくらいなんか観ていて居心地がいいんですよね。ラブコメとして、ラブの要素もコメディの要素も振り切っている感じがするので、全話飽きさせない展開もこの作品の魅力だと思います。
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はしも:
僕の中では、ヒロインのチョン・ジヒョン(ソンイ役)さんの演技を見られるというだけでも、すごくこのドラマが尊いんですよね。高校生の頃に映画『猟奇的な彼女』を見て大好きになって、虜になってしまって。最初観たときも、綺麗な方だとは思いましたけど、それよりも中身というか演技での魅力が、もう溢れ出していて。
この作品では、気が強いけどどこか抜けてて、感情と行動が一致してしまうタイプのヒロインを演じていて、それがもうどストライクなんですよね。初めて映った瞬間から大きめ肩パットの服装、気の強い女性だと一瞬でわかる演出があって、その時点で「いいぞいいぞ!」って(笑)。
そういう気の強さとコメディシーンとのギャップもまた良くて、作中の本人は至って真面目なのにそれが全部コメディに聞こえてしまうんですよね。あれを演技でできるのは、じつはすごいテクニックだと思います。そういうシーンが振り切っているからこそ、寂しさや涙で、気の強い女性が内に秘める弱さや脆さを感じさせる表現も際立っていて、その両極でどんどん物語に惹き込まれていきます。
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はしも:
この作品の脚本はパク・ジウンさんという方で、最近で言えば『愛の不時着』を観た方も多いんじゃないでしょうか。韓国ではこのパク・ジウンさんと、キム・ウンスクさんが二大脚本家と呼ばれているくらいの方で、ドラマ1話あたりのギャラも相当なものらしく。
それだけ人気の脚本家が書いたストーリーだけあって、サスペンス要素の絡み方と、恋愛の進み方、そして結末まで含めて相当よかったですよね。僕はあの結末を観て、以前奥さんに「毎日一緒にいて、同じ時間に帰って来られてもしんどい。たまに仕事でどこか泊まりに行ったりして、その時に寂しく感じられるくらいがいい」と言われたことを思い出しました。
宇宙人と人間の恋愛だけあって、普通の恋愛ドラマとも少し変わった結末なので、ぜひ最後を楽しみにしながら、ドラマを観進めていってください。絶対、後悔させないので!
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はしも:
「当時8〜9割の人が、いわゆる“ロス”になったんじゃないか」と先ほどは言いましたが、ロスになっても大丈夫。私たちにはOST(オリジナル・サウンドトラック)があります。ドラマを観終わったあとも、このOSTを聞けばいつでもその世界に浸れる。この作品のOSTがすごく良くて、とくに重要なシーンで挿入歌として使われている『My Destiny』。これが、本当にいいタイミングで流れるんですよね。
例えばキスシーンの前に、うっすら小さな音量で流れ初めて、いざキスのときに大音量サビ!みたいな。曲単体で聞いても「そんなに……」という感じなんですけど、ドラマの映像と合わさると「このタイミングで!」みたいに盛り上がりをきれいに演出してくれている感じがして、韓国ドラマらしい魅力を感じましたね。
僕は『My Destiny』が好きすぎて、ネタありきではなく、この曲ありきで曲に合うネタを1本作ったことがあります。「当たり前のように人間以外に恋をするヒロイン」というネタで、そのネタで『細かすぎて伝わらないモノマネ』にも出させていただきました。
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はしも:
『星から来たあなた』は2013年の作品ですが、じつは2016年の『青い海の伝説』でも脚本家パク・ジウンさんと俳優チョン・ジヒョンさんのタッグが実現しています。『青い海の伝説』では、チョン・ジヒョンさんが人魚を演じていて、人間と人魚の恋という、これまたすごい設定になっています。
でも、通常ではありえない特殊な設定を活かして、魅力的なラブストーリーを描くんですよね、パク・ジウンさんは。『星から来たあなた』では人間として宇宙人に恋をしたチョン・ジヒョンさんが、『青い海の伝説』でどんな人魚を演じているのか、その違いを楽しみながら観てみてください。
(取材・文/郡司しう)
NSC(吉本総合芸能学院)東京校16期卒業。2011年、俵山 峻と「スクールゾーン」を結成。独自の感性が光る唯一無二のコントで人気を博す。 また、幼少期より慣れ親しんだ韓国ドラマやK-POPの知識、特技である韓国語を生かした「韓国あるある」をSNSで発信し、大きな話題を呼んでいる。
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