「チャングム&イ・サン&トンイの世界」ドラマ・シンフォニー イ・ビョンフン監督 イ・ビョンフン監督 インタビュー © チャンネル銀河
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2015/05/01

大ヒット歴史ドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」「イ・サン」「トンイ」をてがけたイ・ビョンフン監督が、‘15年3月27日(金)、東京国際フォーラムにて開催された『チャングム&イ・サン&トンイの世界』ドラマ・シンフォニーのメイン・ゲストとして来日。イベントの感想や、ドラマ作りへの想いを語ってくれました。

ご自身の作品の音楽をオーケストラで聴いた感想は?

すごく驚きました。こんな大きな規模で、多彩な内容のコンサートになるとは想像できなかったので、とても光栄です。日本のファンの方々が一生懸命に曲を聴いている姿に感激し、はたして韓国でもこんなコンサートが可能だろうかとも考えました。最初はライトがまぶしくて観客の顔が見られなかったのですが、ライトが落ちたときに見たら、みなさんとても真剣な表情をしていたので感動しました。

「トンイ」の挿入歌「チョネジア~天崖至睋~」の日本語カヴァーを聴かれた感想は?

「チョネジア~天崖至睋~」は、トンイが経てきた苦難やせつない気持ちが込められた曲です。韓国ではチャン・ナラさんという歌手が歌ったのですが、彼女の声はとても澄んでいるのが魅力です。一方、日本語バージョンを歌った城 南海(きずきみなみ)さんは、力強い歌声でせつなさを表現していました。同じ曲でも歌手によってこんなに違うんだなと実感しました。

ドラマ音楽について、どんな考えをお持ちですか?

音楽はドラマの状況に合わせることが大切で、ドラマの流れを妨げたり、超えてはいけません。代わりにドラマの内容と音楽のアンサンブルがうまくいけば、何倍もの効果が得られます。そのためには、音楽に合わせられるように1分30秒から2分程度の長めの映像を用意しておいて、使用する音楽に合わせて編集することもあります。

歴史ドラマの巨匠と呼ばれていますが、作品づくりで心がけていることは?

3つあります。1つ目は、教育的な面を持っていること。視聴者、特に青少年に根拠のない知識を与えてはいけないので、時代考証には気を使っています。2つめは、時代劇であっても面白くなくてはいけない。ドラマが面白くなければ歴史もつまらないと思われてしまいますから、堅苦しくなくて気楽に見られること。3つめは、ドラマを通じて何かひとつでも有益なものを与えられること。肯定的で家族みんなで見られる作品づくりを心がけています。

これまでは、ひとりの人物にスポットをあてた長編歴史ドラマを数多く生み出してきましたが、「太陽を抱く月」のようなロマンスや、フュージョン歴史ドラマを制作するご予定は?

最近は「太陽を抱く月」や「星から来たあなた」のようなファンタジーが流行していますよね。リアリティーはないけれど、視聴者の想像をかきたてるタイムスリップものも多いです。でも、これまで私が扱ってきたのは実存の人物で、低い身分から努力して成長していくものがほとんどです。政治の中心にいるような人物ではなく、あまり知られていない人物を世に知らしめることに意味があるし、私のモットーのひとつだと思ってきたからです。でも、最近はあまりにもファンタジーが人気ですよね。アメリカの「ヴァンパイア・ダイヤリーズ」も、日本の「流星ワゴン」もファンタジーですが、とても面白いので、私も一度、ファンタジーをやってみようかなと考えるようになりました。

日本の歴史ドラマもご覧になっていますか?

たくさん見ています。30年くらい前に「武田信玄」を見て、大名の世界や、織田信長との攻防や戦闘に興味を持ちました。NHKの大河ドラマはよく見ています。「篤姫」、「龍馬伝」も見ました。NHKの大河はやや堅苦しい感じで、韓国のKBSの大河ドラマと似ている気がします。それから「水戸黄門」は、私が81年から86年にかけて制作した「暗行御史(アメンオサ)」に似ていると思いました。でも「暗行御史」は5年間で終わりましたが、「水戸黄門」は40年以上も続いたんですよね(笑)。韓国でもケーブルテレビで日本のドラマが放送されているし、ファンも多いんですよ。

歴史ドラマ以外もご覧になるのでしょうか?

勉強のためになるべく数多くのドラマを見ようと心がけています。「ウォーキング・デッド」、「ゲーム・オブ・スローンズ」、「24」も見ました。一番面白かったのは「LOST」。すごいファンタジーです。一度見始めたら寝ないで見続けてしまいます(笑)。日本のドラマだと最近は「半沢直樹」や「家政婦のミタ」が面白かったです。

最近見た韓国ドラマで面白かったもの、キャスティングしたい俳優は?

「星から来たあなた」が良かったのでキム・スヒョン。韓国でとても影響力があったドラマ「未生(ミセン)」のイム・シワンとカン・ソラ。そして、キム・テヒ。今韓国で最も美しいと言われている女優ですから(笑)

新人を発掘するのも上手ですが…。

新人を使うのは大きな冒険です。間違えるとドラマが失敗してしまうので、主人公には起用せず、助演で選びます。「トンイ」ではまったく新人だったパク・ハソンを中殿役で起用しましたが、今や主演女優になりました。チ・ジニも「宮廷女官 チャングムの誓い」のミン・ジョンホ役のときは、まだ新人だったし、「イ・サン」ではハン・ジミンを起用しました。

日本語を勉強されているそうですね。

勉強しているというほどではないですが、日本の方々が私の作品を愛してくれて、日本の方とお会いする機会が多いので、挨拶くらいは覚えたくて始めました。日本のファンのみなさんには感謝しています。

記事提供:チャンネル銀河

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