あなたの「みたい」が見つかるコラム

最新作公開前に復習したい!「あぶない刑事」の唯一無二の魅力を分析

「あぶない刑事」

「あぶない刑事」シリーズの最新作、映画「帰ってきた あぶない刑事」が5月24日(金)に公開される。前作の映画「さらば あぶない刑事」(2016年)から8年ぶりの“タカ&ユージ”の帰還に、情報が解禁された昨年から“あぶ刑事”ファンたちは心待ちにしていたことだろう。

前作では、主人公の“タカ”こと鷹山敏樹(舘ひろし)と“ユージ”こと大下勇次(柴田恭兵)が刑事を退職し、“刑事”ではなくなったことで最終回かと思われていた。そんな中での“復活”のニュースは世間を大いに騒がせた。さらに、舘、柴田のほか、浅野温子や仲村トオルといったレギュラーメンバーに加え、吉瀬美智子、岸谷五朗、西野七瀬、土屋太鳳、早乙女太一、杉本哲太といった豪華過ぎる出演者たちにも注目が集まり、“レジェンド”のレギュラーメンバーとの共演も話題に。

「さらば」と謳った前作から8年という月日が経ったにも関わらず、再び続編が製作されることになったのは、やはり根強いファンからの次作を待望する声はもちろん、今の時代でもしっかりとエンターテインメントをけん引できる唯一無二の作品の魅力があるからだ。

「さらば あぶない刑事」“ah-面白かった”LiveSession-」

バブル真っ只中の1986年に放送が始まったテレビシリーズ第1作から、ガンアクションや格闘戦などのシーンがありながらも大規模な爆破などはなく、あくまで神奈川県内での事件に立ち向かう2人の刑事の姿を描いた同シリーズは、トレンディドラマを思わせる軽妙な演出や都会的なファッション性を取り入れて、それまでの硬い“刑事もの”とは一線を画した新しい分野を確立。放送開始から尻上がりに注目を集め、急きょ2クール延長されたほどで、若者を中心に社会現象的人気を得た。

この“軽やかでおしゃれな要素”こそが同シリーズの魅力であり、ファンをつかんで離さない部分だといえる。事件解決までを重々しく描かず、速いテンポで描くことで展開を早くし、ジェットコースターのようなスピード感を演出。どんどんと進んでいくストーリーは、「漫才ブーム」を巻き起こしたツービートや紳竜の漫才が有する誘引力がある。つまり、視聴者に内容を追わせるのではなく、展開や演出、俳優の芝居などによって構築された“ドラマという作品”を“視せる”ことに大きく振っているのだ。昨年11月に行われた映画「帰ってきた あぶない刑事」の製作発表会見でも、柴田が「昔からの『あぶ刑事』は楽しくて、かっこよくて、面白くて…でも見終えた後に何も残らない(笑)」、浅野が「『あぶ刑事』に魂なんてあったかな?」などとジョーク混じりにコメントしていたが、まさに見終わった後の“何もなかったような”爽快感こそが他の作品にはない魅力の一つなのだ。

「まだまだあぶない刑事」

そして何より、舘と柴田という名優2人の芝居もすごい。主役級の2人をバディにしているため、画面からどうしても圧倒的な存在感の重厚な“説得力”がにじんできそうなものだが、なかなかどうして全くないのだ。周りを巻き込む破天荒な2人でありながらも、作風に合わせて演じるキャラクターは常に軽やかで自由。「タカ」「ユージ」と呼び合うところからも制作陣の狙いが見て取れるが、その軽妙さを演技で創出しているところにこそ名優たるゆえんだ。存在感からくる重厚感というものは、自ら出すものではなく周りが感じ取ってしまうものであるから、それを抑える演技はどれほど難しいかは想像に難くないが、それをあっさりやってのける2人が肩を並べて同じ画角に収まっているのだから、ワンシーン、ワンシーンが観ていて面白くないわけがない。そして、そんな2人が作り出す「タカ」と「ユージ」がめちゃくちゃカッコいい。ビジュアルだけでなく、所作や立ち回り、破天荒さ、強さと弱さなど、女性はもちろん、男性に「こんな男性になりたい」と思わせるキャラクターとして作り上げているからこそ、社会現象的な人気を博したのだ。

しかも、バディでありながら2人が同じタイプのキャラクターであるところがポイント。創作物はバディだとどうしても真逆のタイプを設定しがちだが、細かい違いはあれど、女性に弱く、軽薄で適当、芯の強さ、相手へのリスペクトと全幅の信頼など、他の作品であれば1人が担う役どころを2人にしており、自然と2人のチームワークの良さや一体感が出るようにしている。一方で、「これ、1人でよくない?」と思われてしまうデメリットを、舘と柴田の芝居でのみ“2人の差異”を作り出して回避。似たキャラクターを違った人物に見せる演技力を持つこの2人だからこそ成立している“バディ”なのだ。

「またまたあぶない刑事」

J:COM STREAMでは、過去作が見放題で視聴可能。最新作では、上記の作品の魅力に加え、往年のファンを喜ばせる“エモい”演出も散りばめられているため、公開前に過去作で復習した上で最新作を鑑賞すると、より楽しめること請け合いだ。

文:原田健

放送・配信情報

「あぶない刑事」

またまたあぶない刑事

あぶない刑事リターンズ

あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98

あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE

まだまだあぶない刑事

さらばあぶない刑事

J:COM TVシン・スタンダードで、
厳選した専門チャンネルと
日本初上陸の
Paramount +が加わった動画配信が楽しめる!

もう見逃さない!リモート録画予約 タブレット、スマホ、パソコンからカンタン予約で録りまくり!

対象:J:COM LINK / Smart J:COM Box / Smart TV Box

※ご利用にはFun! J:COMへのログインが必要となります
※チューナーはご加入のサービスにより異なります。ブルーレイHDRの一部機種でもご利用頂けます。
ハードディスク内蔵型でない機器をご利用の場合、別途USB-HDDのご購入が必要となります。

PageTop